葛西 金色の約束!震災直後から交流、飯舘から寄せ書き届いた

[ 2018年2月6日 05:30 ]

飯舘村から新千歳空港に駆けつけた渡辺さん(右)に寄せ書き入り横断幕を手渡され、笑顔
Photo By スポニチ

 9日開幕の平昌五輪に出場するノルディックスキー・ジャンプ男子日本代表が5日、韓国入りした。出場すれば冬季五輪史上、単独最多の8度目となる日本選手団旗手の葛西紀明(45=土屋ホーム)は東日本大震災での被災後に交流が続く福島県飯舘村の子供たちの寄せ書きの入った横断幕に見送られ、金メダル獲得に強い意欲を示した。

 何回出場していても五輪は心躍るものだ。公式服装に身を包み、韓国入りした葛西は「昨年も(W杯で)来たけれど、また違う気持ち。ワクワクしています」と声を弾ませた。

 92年アルベールビル五輪から7大会連続出場。今回出場すれば、7度で並んでいたリュージュ男子のアリベルト・デムチェンコ(ロシア)を抜いて単独最多の8回出場となる。改めて、その数字に「8回目って、凄い記録だと思う」と重みをかみしめた。そして「でも試合に出ないといけない。まずは試合に出て次につなげたい」と気を引き締めた。

 今大会は史上最も寒い五輪と言われている。日本選手団の旗手も務めるレジェンドは「一番やばいのは開会式」と警戒。3日の開会式リハーサルでは、午後10時の終了時の気温はマイナス15度。長時間拘束される開会式で体調を崩さないために、大量のカイロを持ち込んだ。「体中にカイロを貼って出る。風邪をひかないようにしたい」と体調管理に万全を期している。

 もちろん、出場だけで終わるつもりはない。ジャンプは8日からノーマルヒル予選が始まるが、今大会は開始時間が全て午後9時30分以降。ナイター対策として、先月30日にW杯遠征から帰国後も8時間時差の“欧州タイム”のまま生活。前日も深夜に軽くウエートトレーニングなどで汗をかき、寝たのは深夜2時。最高のジャンプを求めて時差調整を続けている。

 新千歳空港を出発する際には11年東日本大震災直後の4月に訪問して以来、交流が続く福島県飯舘村の小学生だった渡辺和東(かずき)さん(18)から、寄せ書き入りの横断幕を受け取った。当時プレゼントしたのは、自身が最も好きな黄色の花が咲くひまわりの種。「わざわざ届けてくれたのがうれしい」。ラージヒルで銀、団体で銅メダルを獲得したソチ五輪から4年。「金メダルを獲りたい気持ちです」と目を輝かせたベテランは、ひまわりのような黄金の輝きを放つメダルだけを狙っている。

続きを表示

この記事のフォト

2018年2月6日のニュース