原沢、王子谷と情報共有NO「うそ情報教えるかもしれない」

[ 2017年7月17日 05:30 ]

世界選手権前最後の国際合宿となるウルガット合宿へ出発した柔道男子100キロ超級の原沢久喜
Photo By スポニチ

 情報共有しま宣言!柔道の世界選手権(8月28日開幕、ブダペスト)男子100キロ超級代表の原沢久喜(日本中央競馬会)ら重量級選手が16日、フランス・ウルガットでの国際合宿のため羽田空港から出発した。今回の合宿は、世界選手権前で外国人選手と組み合える最後の機会。「外国選手とやる最後のチャンス。慣れることで技術を高めたい」と意気込みを語った。

 中でも乱取り稽古で組んでおきたいのが、同級五輪2連覇中で、原沢自身もリオデジャネイロ五輪の決勝で敗れたテディ・リネール(フランス)だ。先月行われた東京での国際合宿でリネールが来日した際は「1日1回、計5、6回はやった」というが、相手は五輪後の長期休養明けで「スタミナも体のキレもなかった」という。今回参加してこれば、より“実戦モード”に近いリネールの胸を借りられることになる。「できるなら何回もやって、癖とかを見つけたい」と情報収集に着手する考えを示した。

 ただ、原沢がリネールと同等のライバル心を燃やしたのが、世界選手権で同じ階級のもう1人の代表、王子谷剛志(旭化成)だった。原沢と同便で出発した男子日本代表の井上康生監督が「われわれには超えなければいけない山がある」と2度繰り返したほど、打倒リネールは日本柔道界の悲願。男子最重量級の2枚看板が共闘すれば悲願は近づくはずだが、“我こそ先に倒す”という意地がある。

 今回の合宿に遅れて参加する王子谷との関係を問われた原沢は「(乱取りを)やる、ということはない。(リネールの)情報共有するかと言われれば、微妙ですけど…」と歯切れ悪し。王子谷が情報共有を求めてきた場合も「それはもちろん(共有)しますけど、うそ情報を教えるかも知れません」と本気とも冗談ともつかない答え。リネールを最初に倒した男が、20年東京五輪選考レースを制す――。いつも通りの落ち着いた口ぶりに強い闘争心を秘め、ライバルが待ち受ける彼の地へと旅立った。

続きを表示

2017年7月17日のニュース