美帆先生、満点V 橋本聖子超え最多「メダル5個」あるぞ!

[ 2017年2月21日 05:30 ]

冬季アジア大会 ( 2017年2月20日    明治北海道十勝オーバルほか )

女子3000メートルで優勝し、表彰台で手を振る高木美帆=明治北海道十勝オーバル
Photo By 共同

 スピードスケートの高木美帆(22=日体大)が女子3000メートルで金メダルを獲得した。日本勢最多の5種目に出場する“中長距離のエース”は1000メートルでも短距離のエース・小平奈緒(30=相沢病院)に0秒12差に迫る銀メダル。橋本聖子らが持つ大会最多記録となるメダル4つ超えを視野に、好発進した。

 タイムよりも勝つことにこだわった。3000メートルの最終組。高木美は4分5秒75で滑り切ると両手でガッツポーズした。アジアのライバル・金ボルム(韓国)に2秒以上も差をつけた。

 レース前。日本代表のヨハン・デビット中長距離コーチから「今回は勝つことが大事。金のタイムを見て、どれくらいのラップなら勝てるか考えろ」と言われた。前組の金ボルムは4分7秒80。上回るためには400メートルごとのラップを「32秒前半でまとめないと」。最後の1周こそ32秒98だったが、他の6周は32秒前半以上を刻んだ。「4分6秒でいきたかったので5秒(台)はうれしかった」。想定以上の結果で平昌(ピョンチャン)五輪への自信を得た。

 客席には母校・帯広南商の生徒がいた。昨年5月、保健体育の教職免許を取るべく3週間の教育実習に出向いた際の教え子たち。そのクラスの担任・辻吉則さんや東出俊一スケート部監督によると“高木先生”はマット運動の上手な子と苦手な子をiPadで撮影し、公開授業でそれをモニターで見せたという。東出監督は「いい先生になる」と評し、辻さんも「自分の実績を一切出さなかった」と絶賛。先生としての将来性も感じさせた。

 1000メートルでは小平に0秒12及ばず銀だったが、得意の1500メートルなど残る3種目で全て表彰台に上がれば、90年札幌大会で4種目制覇の橋本聖子らが持つ1大会の最多メダル記録を超える。「1500メートルだけやっても速くなれない。オールマイティーにやらないと伸びない」。日本が誇る万能スケーターは1年後の本番でも「(5種目に)出られるなら出たい」と言い切った。

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