錦織に何が足りない?決勝戦で6連敗“どん詰まり症候群”克服を!

[ 2017年2月21日 05:30 ]

男子テニス アルゼンチン・オープン ( 2017年2月19日    ブエノスアイレス )

優勝トロフィーを掲げるドルゴポロフ(右)に拍手する錦織(AP)
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 決勝で、世界ランキング5位の第1シード、錦織圭(27=日清食品)は世界66位のアレクサンドル・ドルゴポロフ(28=ウクライナ)に6―7、4―6で敗れた。過去5戦全勝と相性の良かった相手にストレート負けを喫し、今季初優勝とツアー通算12勝目を逃した。これで昨年2月のメンフィス・オープンで優勝してからは決勝戦で6連敗となった。今週のリオ・オープン(ブラジル)にも優勝本命の第1シードとして出場する。

 勝ちきれないと言うべきか、それだけチャンスが増えていると見るべきか。今季開幕戦のブリスベン国際に続いてまたもや決勝での敗戦。「もどかしさは多少あるが、内容はそこまで悪くないので心配はしていない」と錦織自身は語った。

 「自分より相手がいいプレーをした」という言葉は負け惜しみではない。この日のドルゴポロフは当たっていた。ラリーでは徐々にコートの内側に入り込まれ、チャンスが来ても強力なサーブで流れを断ち切られた。第1セットはタイブレークで落とし、第2セットも第7ゲームでブレークを許した。「いつもより相手の攻めが速かった。自分の返球も浅く打てるボールを与えてしまった」と一度もブレークできず、最後も強打に押されて腰が引けたバックハンドがネットにかかった。

 これでツアー決勝での通算成績は11勝11敗となったが、最近は6連敗と負けが込んでいる。くしくも同週のオランダの試合では、世界10位のゴフィン(ベルギー)がツォンガ(フランス)に敗れ、これまた決勝6連敗を喫した。世界4位のラオニッチ(カナダ)も目下のところ決勝3連敗。決勝までいく力はついている証拠だが、なぜか最後の一歩が届かない。しかも錦織の場合は相手のランキングはどんどん下がっているのに。

 世界5位ともなれば十分に研究されるし、失うもののない相手が開き直って挑んでくるのも当たり前。それらをはね返す強さも求められる。今週のリオ・オープンもトップ10は錦織と8位のティエム(オーストリア)だけ。「一番いい時とは差がある。来週の大会で調子を上げていければいい」と語る錦織だが、“どん詰まり症候群”を抜け出せなければ上は見えてこない。

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