ジャマイカの北京リレー金剥奪、IOC発表 処分確定で日本の銅は銀へ

[ 2017年1月26日 20:50 ]

 国際オリンピック委員会(IOC)は25日、2008年北京五輪の陸上男子400メートルリレーでジャマイカのウサイン・ボルト選手らが獲得した金メダルを剥奪すると発表した。第1走者だったネスタ・カーター選手が、最新技術を用いた同五輪のドーピング再検査で、興奮作用のある禁止薬物のメチルヘキサンアミンに陽性反応を示して失格となったため。

 IOCによると、ジャマイカは今後、処分に対する不服申し立てができる。ロイター通信は25日、カーター選手の弁護士がスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴する意向を示したと伝えた。CASがIOCの処分を支持する裁定を出せば、同種目で銅メダルを獲得した塚原直貴、末続慎吾、高平慎士、朝原宣治の4選手の日本が銀、2位のトリニダード・トバゴが金メダルに繰り上がる。

 ボルト選手は08年北京五輪から16年リオデジャネイロ五輪まで3大会連続で100メートル、200メートルと400メートルリレーの短距離3冠を達成したが、この処分が確定すれば、陸上ではカール・ルイス(米国)らに並んで最多だった9個の金メダルが一つ減る。アサファ・パウエル選手とマイケル・フラーター選手、予選で走ったドワイト・トーマス選手も金メダルを剥奪される。

 国際陸上競技連盟は、カーター選手の違反が確定すれば出場停止などの処分を科す方針で「他の競技会で採取、保管してある検体も再検査する」との声明を出した。

 また北京五輪の女子走り幅跳びと三段跳びでともに銀メダルを獲得したタチアナ・レベデワ選手(ロシア)も、再検査で筋肉増強作用のある禁止薬物のトゥリナボルに陽性反応を示して失格となり、メダルを剥奪される。

 北京五輪陸上の日本代表監督を務めた高野進氏は26日、大会から8年以上経過して順位変更の可能性が高まったことに「気持ちのいいものではない」と不快感を示した。(共同)

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2017年1月26日のニュース