樋口 非五輪階級61キロ級で貫禄V 東京五輪に向け肉体強化

[ 2016年12月24日 05:30 ]

レスリング全日本選手権最終日 ( 2016年12月23日    東京・代々木第2体育館 )

男子フリー61キロ級決勝 嶋江翔也(右)を破り優勝した樋口黎
Photo By 共同

 “マカロン王子”が1階級上げても貫禄の優勝を飾った。リオ五輪男子フリースタイル57キロ級銀メダルの樋口黎(20=日体大)は、非五輪階級の61キロ級に出場。20年東京五輪に向けた肉体強化の一環で、今後もしばらくは61キロ級を主戦場にする考えを示した。リオ五輪金メダルの女子58キロ級の川井梨紗子(22)、同69キロ級の土性沙羅(22=ともに至学館大)はいずれも学生最後の大会で優勝し、有終の美を飾った。

 メダリストとしての重圧を受け止めて結果を出した。「勝って当然と思われて足が出ない。銀メダルのプレッシャーがある中で丁寧な試合ができた」と11月の全日本大学選手権に続いて61キロ級を制覇。相手との実力差があるとはいえ、4試合の合計時間が10分にも満たない圧巻の優勝だった。

 初出場のリオ五輪では決勝で世界王者に敗れたが、レスリング日本男子歴代2位の年少メダルを獲得した。大会後はなかなかモチベーションが戻らなかったという。マカロン大好き、野菜嫌いの偏食家。くすぶるうちに食生活も乱れた。「五輪の後はそりゃひどいもんでした。焼き肉とマカロンの繰り返しで」と体重は一時66キロまで増加。時間がたち、さまざまな助言を聞くうちに、ようやく気持ちが上向いた。立てた目標は「まずは61キロ級で世界王者になる」というもの。4年後の金メダル獲得のためには「まだ体脂肪が15%ぐらいある」というフィジカルの強化は不可欠。2年後のアジア大会までは1つ上の階級で肉体を磨き、そこから東京五輪に向けて最軽量級に戻る計画だ。「睡眠や食事面も一流にはほど遠い。僕はまだまだ発展途上なんで」という樋口は、4年後のゴールへと向かい始めている。

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2016年12月24日のニュース