宇野 大技失敗で焦り…まさかの2位発進も逆転V必ず

[ 2016年12月24日 05:30 ]

フィギュアスケート全日本選手権第2日 ( 2016年12月23日    大阪・東和薬品ラクタブドーム )

演技を終え肩を落とす宇野
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 男子ショートプログラム(SP)が行われ、優勝候補筆頭の宇野昌磨(19=中京大)は4回転ジャンプ2つをいずれもミスし、88・05点で2位発進となった。90・34点でトップの無良崇人(25=洋菓子のヒロタ)とは2・29点差。羽生結弦(22=ANA)がインフルエンザで欠場する中、初優勝を狙う次代のエースは24日のフリーでの巻き返しを誓った。24日の男子フリーの滑走順が決まり、SP首位の無良は23番となった。2位の宇野は最終24番、3位の田中は22番で演技する。

 大技失敗が足を引っ張った。宇野が冒頭で予定していたのは4回転フリップ−3回転トーループの連続ジャンプの初挑戦。だが、最初のフリップで着氷が乱れて、トーループをつけられなかった。SPではコンビネーションジャンプを1つ入れなければいけない。昼の公式練習でも成功するなど調子を上げていた大技の失敗で焦りが生じ、「次に3回転をつけなきゃいけないという気持ちが集中を邪魔した。1個目のフリップ(のミス)を引きずった」。単発を予定していた4回転トーループを、3回転トーループをつけた連続ジャンプに切り替えようとしたが、最初のトーループで転倒した。得点源の4回転ジャンプ2つをいずれもミスしては、トップを逃すのも当然だった。

 本来なら4連覇中の王者との一騎打ちになるはずだった。過去2年連続2位の若武者はシニア2年目の今季、世界で初めて成功させた4回転フリップを武器にさらに進化。2年連続銅メダルとなった2週前のGPファイナルのフリーでは優勝した羽生を初めて上回る得点をマークし、王者の背中をはっきり視界にとらえていた。だが、インフルエンザによる羽生の欠場で直接対決はお預け。ファンの期待は宇野一身に注がれたが、まさかのミス連発で混戦となり「期待に応えられなくて申し訳ないです」と頭を下げた。

 だが、大技失敗は「一番悔しい」が、挑戦に後悔はない。王者不在の大会に、守って勝っても意味はない。ミスがあっても首位とは2・29点差、十分逆転圏。GPファイナルでもSP4位からフリーで巻き返したばかりだ。「フリーではこのミスを無駄にしたくない。引きずらずに演技したい」。一つ一つ経験を積み上げてきた19歳の穏やかな口調にはどこか自信が漂っていた。

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