【岡崎真の目】宇野 「挑戦」の結果としてのミス 前向きに捉えていい

[ 2016年12月24日 08:11 ]

SPの演技を見せる宇野
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 宇野の4回転フリップは確かに少し軸がずれていたが、単独ジャンプなら十分立て直しができた範囲だったと思う。しかし、ぎりぎりまで連続ジャンプにしようとしたことで、流れを途切れさせないことに注力してしまい、結果的には着氷体勢に入るのが遅れてしまった。

 続く4回転トーループは回転しながらのステップから入る高度なもので、離陸体勢を整えるのが非常に難しい。実際、高さは十分出ていたが「連続ジャンプにしなければ」という意識が焦りとなり、体勢がつくれないまま跳んでしまったのだろう。ただし、ともに「挑戦」の結果としてのミスであり、前向きに捉えていい。得点源のジャンプでミスが続きながら、演技そのものは最後まで集中できていたし、GPファイナルのメダリストという貫禄は示してくれたと思う。

 首位に立った無良は、ジャンプの高さや迫力というダイナミックさが武器の選手。大きなミスはなく、男性的な表現も含めて持っている力は発揮できたのではないか。SP3位となった田中も加え、世界選手権代表を争うことになるフリーの戦いが楽しみだ。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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