美宇 日本人初&16歳最年少のW快挙V!「東京では金を」

[ 2016年10月11日 05:30 ]

卓球女子ワールドカップ最終日 ( 2016年10月9日    米国フィラデルフィア )

卓球女子ワールドカップに優勝した平野美宇(ITTF提供)
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 初出場の平野美宇(16=エリートアカデミー)がシングルスを制し、日本勢で初めて優勝した。大会公式サイトによると大会最年少優勝で、中国選手以外では初のタイトル獲得。中国勢が故障などで不在の中、準決勝でロンドン五輪3位のフェン・ティアンウェイ(30=シンガポール)を4―2、決勝では鄭怡静(24=台湾)に4―0で完勝した。

 「みうみま」の「みま」に集まっていた話題を一気に取り戻した。平野がW杯で日本勢初優勝を果たした。しかも大会最年少となる16歳でのVだ。リオデジャネイロ五輪で金メダルを独占した中国勢が不在とはいえ、快挙の一言に尽きる。優勝賞金4万5000ドル(約460万円)の小切手のボードを受け取り言葉が弾んだ。

 「とてもうれしい。夢みたい。優勝賞金は家族やコーチ、友達のプレゼントに使いたい」

 同じ高校1年生の伊藤はリオ五輪団体で銅メダルを獲得。世界ツアーでも14歳で最年少優勝を果たすなどした同級生のライバルに一歩先を行かれていた。しかし、今大会は準々決勝で「最高の友達で最高のライバル」との直接対決に勝利。その勢いで、準決勝と決勝は世界ランキングで格上の2人を退けた。試合後、平野はツイッターで「優勝したぜーーー」と報告すると、伊藤も「優勝おめでとう 強すぎ 強いの一言しか出ません  ほんとおめでとう」と祝福を送った。

 まもなく始まるハイレベルな戦いに向けて、いい前祝いになった。大会が終われば再び海外へ渡り、今度は福原愛らがこれまで挑戦してきた世界最高峰の中国超級リーグに11月上旬まで参戦する。また、20年東京五輪に向けた「有望アスリート海外強化支援」の7人に選ばれたばかり。外国での武者修行に国が強化費を投じる新事業で、4年後のヒロインになるための道筋が少しずつできつつある。

 ロンドン五輪はテレビの企画で伊藤とともに現地で観戦。今夏のリオ五輪は練習パートナーとして日本代表に同行し、団体の銅メダル獲得を間近で見た。次こそは自分の番――。「東京五輪では金メダルを獲れるように頑張りたい」。新エース候補が日の丸を引っ張っていく。

 ▽卓球女子ワールドカップ 80年に始まった男子に遅れて96年から開催。個人戦は毎年行われている。これまで中国勢が全て優勝。日本勢は15年大会(仙台市)準優勝の石川佳純が最高成績だった。北米で行われたのは今回が初めて。

 ◆平野 美宇(ひらの・みう)2000年(平12)4月14日生まれ。山梨県出身。10歳だった11年の全日本選手権女子シングルスで白星を挙げ、同学年の伊藤美誠とともに福原愛が持っていた最年少勝利記録を更新した。16年には準優勝。伊藤とのペアで、14年に世界ツアー・グランドファイナルのダブルスを日本勢で初めて制覇した。東京・大原学園高1年。世界ランキング17位。1メートル56。

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2016年10月11日のニュース