石川遼、復帰戦で見えた課題…回復していない判断力、決断力

[ 2016年7月10日 13:40 ]

日本プロゴルフ選手権第2日、5番でティーショットを放つ石川遼

 腰痛で離脱していた男子ゴルフの石川遼(24=CASIO)が日本プロ選手権日清カップで5カ月ぶりに実戦復帰した。リハビリ中、腰に負担を掛けないスイングに改造し、ドライバーも新モデルを投入して挑んだ。しかし初日は77、2日目は79をたたいて通算12オーバーで予選落ち。ホールアウト後には「ゴルフになっていない」と肩を落としていた。

 不振の原因がショットにあったことは確か。ドライバーなどウッドもアイアン同様にダウンブローに打っていたが、再三左に引っ掛けてピンチに陥った。しかし振り返ってみると、優勝した昨年9月のANAオープンでもティーショットを大きく曲げて林に打ち込む場面は何度もあった。

 違ったのはそこからのリカバリー力。ANAオープンでは木の間を通してインテンショナルに曲げた球を打ってグリーンをとらえていた。だが今回、そういう「起死回生の1打」がなかった。

 技術の問題というより判断力、決断力の問題だったのではないか。印象に残るのは2日目の8番パー5。2打目を右の林に入れた。ピン方向に視界は開けていたが、球を高く上げれば木の葉に当たる危険性があった。

 石川は、何度か頭上を見上げてからクラブを決めた。どのくらいの角度で打ち出せば木の葉に当たらないか考えていたはずだ。しかし打った球は木の葉に当たってグリーン手前のバンカーに落ちた。このホールは結局ダブルボギー。ほんの少し左を向いて花道方向を狙えばパーで上がる確率は十分にあった。明らかに判断ミスだったと思う。ショットのイメージをしっかりと描ききれずに打ったようにも見えた。

 腰の痛みは癒えた。しかし自分のゴルフに対する自信は回復していないし、勝負できる状態になっていない。ロープの外からはそういうふうに見えた。 (福永 稔彦)

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2016年7月10日のニュース