内村GOODモーニング金演技 本番予選と同じ10時半全開予行

[ 2016年7月10日 05:30 ]

チームメートが見守る中、跳馬で力強い跳躍を見せる内村

体操試技会

 キングは朝から全開だ。リオデジャネイロ五輪の体操男子日本代表が9日、都内で試技会を行った。現地時間8月6日の午前10時30分から始まるリオ五輪団体総合予選を見据え、この日も同時刻に演技をスタート。ほぼノーミスでまとめた内村航平(27=コナミスポーツ)は6種目合計で、優勝した15年世界選手権の個人総合決勝を上回る92・450点をマーク。12年ぶりの団体V奪回へ、頼れる主将に死角は見当たらない。

 寝坊とは無縁の人生を送ってきた。この日、早朝5時。内村は気持ち良く目覚めた。シャワーを浴びた後、スマートフォンで演技の動画を見てイメージを高め、8時30分には体操場へ。入念にウオーミングアップを行い、午前10時30分開始の試技会に備える。8月6日、リオ五輪団体総合予選と同じ時刻に、演技は始まった。

 「体が動きにくい状況だったけど、ミスは出なかった。無理やりいい状態に持っていきながら演技をするから、一つ反応が遅い感じになるけどミスなくやることに意味がある」

 あん馬、つり輪を難なくこなすと、3種目目の跳馬で大技の「リ・シャオペン」に成功。「(試合形式で)跳んだのはNHK杯(5月)以来。恐怖心はあったけど、転倒もしなかったし合格点」。最終種目の床運動を終えた後は膝に手を突いて疲れた表情を見せたが、6種目合計 で圧巻の92・450点。個人総合で6連覇を達成した15年世界選手権の92・332点を上回り、リオでも金メダルに届くハイスコアだ。

 筋肉痛の影響で加藤は精彩を欠き、白井も鉄棒で2度落下。予選を1位で通過するためには大きなミスは許されないが、チームメートへの信頼は不動だ。厳しい言動ではなく体操ニッポンの主将は背中でチームをけん引する。「闘魂注入とか、やりませんよ。ミスしたことはみんな、自分が一番分かっていると思うんで。ま、今日(9日)はこんなもんっすよ」と振り返った。

 20日に日本をたち、ブラジル・サンパウロで直前合宿。3度目の五輪となるリオでは日本にとって04年アテネ以来12年ぶり、自身にとっては悲願の団体制覇を狙う。個人総合の連覇は頭にない。「団体の金メダルしか目標にしていない。個人的にはもう少し演技の質を高めて、見ている人にもっと“凄いな”って思われる演技をしたい」。夢舞台へのカウントダウンとともに、キングのコンディションは上がっていく。

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