谷原 逃げ切り今季初V!2万円が3000万円に化けた! 

[ 2016年7月4日 05:30 ]

ウイニングパットを決めガッツポーズする谷原秀人

男子ゴルフツアー・スポニチ後援長嶋茂雄招待セガサミー・カップ最終日

(7月3日 北海道千歳市 ザ・ノースカントリーゴルフクラブ=7167ヤード、パー72)
 4打差の単独首位で出た谷原秀人(37=国際スポーツ振興協会)が2バーディー、2ボギーの72で回り通算14アンダーで今季初勝利。15年平和PGM選手権以来となるツアー通算12勝目を挙げた。スコアを伸ばせず一時は1打差に迫られたが、大会名誉会長の長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督(80)の後押しを受けた14番でバーディーを奪って勝負を決めた。

 谷原の第一声は安ど感に満ちていた。「疲れた。もう下手すぎて」。前日の雨で重くなったグリーンに対応しきれずパットはショート。4番ではバンカーでミスしてボギーを叩き、4打差が1打差まで詰まった。ただ焦りはなかった。逃げ切りは大の得意。単独首位で最終日に臨んだ過去4度は全て逃げ切り優勝している。そのデータを思い出し弱気を打ち消した。

 13番終了後にはレジェンドに力をもらった。カートで移動しながら観戦していた長嶋氏から「応援に来たよ」と声を掛けられた。直後の14番で残り105ヤードからPWで1メートルにつけてバーディー。リードを5打に広げた。小学3年から4年間、少年野球で捕手と一塁手を務めた経験を持つ。広島出身で根っからのカープファンだが「パワーを頂きました。あそこで少し楽になった」と感謝した。

 勝因を聞かれると「やっぱり安楽さんじゃないの」と冗談めかした。前週、ドラコン王・安楽拓也プロ(46)のレッスンDVD(7枚組)を2万円で購入。参考にしてスイングを修正した。これまでほとんどしなかった体重移動を取り入れ、上半身の力を抜いて振るようにした。その結果「球をコントロールできるようになり、フェードもうまくなった。2万円が(優勝賞金の)3000万円に化けた」。フェイスブックで安楽プロと友達になり直接指導してもらう約束も取り付けた。「安楽さんに見てもらえるし、まだ伸びしろがあるね」と笑った。

 今年2月に父・直人さん(享年67)が亡くなってから初めての優勝。「(亡くなったことで)生きている間に何でもしてあげないといけないと親父に教えてもらった。全米オープンには母親を連れて行った。これからも連れて行きたい」。2週後に全英オープン(14日開幕、英国)に挑む。世界ランキング上昇で全米プロ(28日開幕、米国)出場も確実。37歳が海外メジャーでも進化を見せつける。

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