内村「栄光の架け橋超えたい」リオ五輪結団式&1万人壮行会で決意

[ 2016年7月4日 05:30 ]

ゆずのライブで壇上に上がり、一緒に熱唱する体操代表・内村(中央)ら日本選手団

 キングが描く放物線は“新・栄光の架け橋”だ。8月5日(日本時間6日)に開幕するリオデジャネイロ五輪の日本選手団の結団式、約1万人のファンも参加した壮行会が3日、国立代々木競技場などで行われた。壮行会では人気デュオ「ゆず」が、NHKの04年アテネ五輪中継の公式テーマソング「栄光の架橋」と「夏色」を熱唱。体操の男子団体総合でアテネ以来の金メダルを狙う内村航平(27=コナミスポーツ)は、12年前を超える感動名シーンを誓った。

 キングのハートに火が付いた。3度目の夢舞台で、初めて参加した結団式と壮行会。「こんなにたくさんのお客さんがいるんだと。応援を身近で感じられるいい機会。応援してくれる皆さんに返していかないと」。内村は約1万人のファンの声援だけでなく、名曲にも圧倒された。壮行会でゲストの「ゆず」が「栄光の架橋」を熱唱。「あの場面がよみがえってきますよね」と話した。

 12年前の男子団体総合、最終種目の鉄棒。最終演技者・冨田が着地に向かうと、NHKの刈屋アナウンサーが叫んだ。「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ!」――。当時、高校1年の内村も、テレビでこの名シーンを見た。「自分にとってというより、体操にとって特別な歌」。ライブで「栄光の架橋」を堪能するのは、12年8月のロンドン五輪の祝勝会以来。個人総合の五輪連覇よりも、12年ぶりの団体金メダル奪回だけを見据える今、思う。「冨田さんの栄光の架け橋を超えたい」と。

 アテネの日本は、全てが完璧だった。「相当、難しい。あれ(アテネ)以上ってなると、ミスはないのは当たり前、着地を止めるのは当たり前」と内村は言う。「自分だけでも、そのクオリティーでやるのは難しい。他の4人にも求めるのは、もっと難しい」。だが、床運動の世界王者・白井に加え、加藤、山室、田中は12年ロンドン五輪を経験している。「心強い仲間。いつもの練習からクオリティーを求めれば、(アテネを)超えられる」と自信を見せた。

 アンコールで壇上に呼ばれた内村は、ゆずの北川悠仁からマイクを向けられたものの、歌声は不発。「声が通らなくて、歌手の人って凄いなと思った」。声量は譲っても、約1カ月後の本番では主役は譲らない。“新・栄光の架け橋”を実現するには、8月6日の団体予選をトップで通過する必要がある。予選も決勝も6種目演技する予定の内村は、鉄棒のアンカーが決定的だ。体操ニッポンの新たな名シーンは、キングが締めくくる。

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2016年7月4日のニュース