錦織2年連続16強 クレー巧者に苦戦も3時間超え激闘制す

[ 2016年5月28日 05:30 ]

雄叫びを上げ、ガッツポーズする錦織圭(AP)

全仏オープンテニス第6日

(5月27日 パリ・ローランギャロス)
 男子シングルス3回戦で世界ランキング6位の錦織圭(26=日清食品)は、同52位のフェルナンド・ベルダスコ(32=スペイン)に6―3、6―4、3―6、2―6、6―4で競り勝った。元世界7位のクレー巧者相手に今大会初めてセットを落としたものの、2年連続での16強入りを決めた。

 ガッツポーズよりも先にふうと大きく息をはき出した。3時間21分のフルセット。合計ポイント数では151対154と3ポイント負けていた。

 「最初の2セットの後は、ずっと彼のペースだった。どこで自分のリズムに戻るか分からなかったが、ブレークして少しずつ良くなった。粘り勝てて良かった」

 緩急自在の多彩なストロークに、強打と見せてのジャンピングドロップショットもあった。ベテランならではの老かいさに翻弄(ほんろう)された。一直線に突き進んで攻めきれないと、フォアハンドの鋭い“刃”で串刺しにされた。ロングラリーはお手のもののはずの錦織が、この日は9本以上続いたラリーのポイント数で下回った。

 第1、第2セットを連取したものの、第3セットに入ると完全に相手の流れだった。フォアで12本もの決定打を叩き込まれ、今大会で初めてセットを落とした。第4セットも相手のリズムを崩せず、2―2から4ゲームを連取されて追いつかれた。「フォアで左右に振られて主導権を握れなかった。少しでも彼のバックに集めないといけないと分かっていた」

 1番コートを埋めた観客も32歳のベテランを後押しし、完全にベルダスコのペースに見えた。しかし歴代トップの最終セット奪取率(・778、91勝26敗、今大会開幕前までの数字)を誇る錦織は踏みとどまった。第5ゲームで先にブレークポイントをつかむと、深い位置から確実にリターンを返し、ラリーに持ち込んで虎の子のポイントを奪取。鬱憤(うっぷん)を吐き出すように、右手で深くガッツポーズをつくった。

 勝利への執念を途切れさせずに白星をつかんだが、次戦も難敵。地元フランスの世界12位リシャール・ガスケと対戦する。頂点にたどりつくためには、この苦しさもまだ序の口だ。

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