石川に託すリオ切符 女子に続け!日本男子、28日から最終予選

[ 2016年5月28日 05:30 ]

練習で強烈なスパイクを放つ石川(中央)

 リオデジャネイロ五輪の出場権を懸けたバレーボール男子の世界最終予選兼アジア予選は28日に開幕する。2大会ぶりの切符獲得を目指す日本は27日、初戦のベネズエラ戦に向けて東京体育館で最終調整。20歳のエース、石川祐希(中大3年)は昨秋負傷した左膝も復調し、万全の仕上がりをアピールした。また、登録メンバー14人が発表された。

 試合会場の東京体育館で行われた前日練習。石川はゲーム形式の練習で清水、柳田らとともにスタメン組に入った。高く上がったトスに対しサイドから強烈なスパイク、さらに後方から跳び込むバックアタック。最高到達点3メートル45の跳躍力を生かした攻撃を次々と繰り出した。「心も体も準備はできた。膝も、休んで正解だった」。100%の復調を強調した。

 活躍した昨年のW杯後、左膝に痛みが出た。ジャンパー膝と呼ばれる炎症。冬場は約2カ月ジャンプを伴う練習はできなかった。再開したのは2月末。回復具合が心配されたが、この予選までにしっかり間に合わせた。

 石川にとって初めての五輪最終予選。14人のメンバー中でも、4年前の最終予選を戦っているのは5人しかいない。南部正司監督はチームの経験不足を懸念するものの「石川に関しては全く心配していない」と絶大な信頼を置き「今日の練習でも今シーズンの中で一番ジャンプしていた」と仕上がりに太鼓判を押した。

 初戦の相手ベネズエラは世界ランキング20位。今予選最下位国で、日本は昨年のW杯でも勝っている。だが、03年以降の対戦成績では2勝6敗。エースのピニェルアを中心に高い攻撃力を誇る。指揮官は「相手のセンター陣が機能すると(日本は)厳しい。石川の強いサーブで、いい展開をつくりたい」と石川のサーブが一つの鍵になると考えている。サーブにスパイク。リオへの方程式はまさに“石川で勝つ”だ。

 周囲の期待は大きいが、石川自身は「重圧は苦にしません」と言ってのけた。五輪を逃した4年前の日本は初戦をあっさり落として、勢いに乗り切れなかった。若きエースは「いいスタートを切ることが大事。やるか、やられるか。覚悟を持って臨みたい」と勝負師の顔をのぞかせた。

 ▽男子バレーボールのリオデジャネイロ五輪への道 予選は8チームの総当たりで争う。日本は(1)アジア4チーム中トップ(2)その他7チームのうち上位3チーム、に入れば出場権を獲得できる。五輪出場国は12カ国で、既にブラジル、ロシア、イタリア、米国、アルゼンチン、キューバ、エジプトが出場を決めている。また、世界最終予選メキシコ大会(6月4~6日)でもう1チームが決まる。

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