帰省中に被災…神鋼・平島が訴え「周辺地域に物資届いていない」

[ 2016年4月20日 06:01 ]

 出身地の熊本市に帰省中に被災したラグビーの元日本代表で神戸製鋼プロップの平島久照(33)が19日、スポニチ本紙の電話取材に応じた。被害が大きい益城町近郊に位置する熊本市東区画図町の実家周辺には、困っている人が多いと訴えた。

 「益城町などには物資が届いているかもしれないが、周辺地域には届いておらず、大変な思いをしている人がいる。配給や給水場所の情報も伝わっていない。それを伝えてほしいです」

 14日の強い揺れで家の中の食器が散乱。片付けが一段落した後に、16日の強い揺れに襲われた。「だいぶ長く、これは止まるのか?と思った」。実家は瓦が落ちただけで倒壊は逃れた。ただ、田畑に囲まれた周辺は「古い家が多く、家の半分がつぶれたところもあった。道も陥没した」という被害の大きさだった。

 16日の本震の後は家屋内での就寝に恐怖を覚え、自宅近くに止めた自動車の車内で家族と寝泊まりを続ける。その影響で「最初は足がしびれる感じがあった。水がない状態だったこともあって」とエコノミークラス症候群の初期と思われる症状が出ていたことも明かした。5月に2歳になる長女は地震の後、食事が喉を通らなくなったことがあったという。

 救援物資が周囲に届いていない状況をアプリ「LINE」のメッセージ機能で発信。それを見たラグビー日本代表の仲間やラグビー関係者が、フェイスブックなどのSNSで拡散した。日本代表42キャップの輝かしい経歴を持つ平島は、救援物資が広く行き届くことを強く願っている。

 ◆平島 久照(ひらしま・ひさてる)1983年(昭58)1月15日、熊本市生まれの33歳。ポジションはプロップ。熊本西高校、福岡大を経て神戸製鋼。スクラムの強さが光る主力。日本代表42キャップ。昨年のラグビーワールドカップは故障のために、直前で代表から外れた。1メートル80、110キロ。

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