川井、銀でリオ!悩み抜いた階級変更で初の五輪内定

[ 2015年9月12日 05:30 ]

女子63キロ級の表彰式で銀メダルを手に笑顔の川井梨紗子

レスリング世界選手権第4日

(9月10日 米ラスベガス)
 女子63キロ級は川井梨紗子(20=至学館大)が銀メダルに輝き、初の五輪切符を獲得。12月の全日本選手権に出場すれば五輪代表に正式決定する。

 悩み抜いた階級変更の決断を無駄にはしなかった。準決勝を突破して五輪切符を手中に収めた川井は涙が止まらなかった。「うれしい。支えてくれた人に感謝したい」と声を震わせた。

 本来は58キロ級で世界ランク2位の実力者。しかし同階級には絶対女王の伊調が君臨している。川井も何度もその壁にはね返された。伊調に挑み続けるか。五輪出場のために階級を変えるか。元レスリング選手の両親とも何度も話し合った末に、リオ五輪までの期間限定で階級変更を決めた。

 非五輪階級の60キロ級を飛び越え、2階級上の63キロ級へ。5キロの違いで相手の体格、パワーは格段に上がる。川井は計量でもリミットを大幅に下回る61キロしかないが、そんな不利をはねのけた。1回戦の相手はいきなり昨年優勝のトカチオスタプチュク(ウクライナ)。しかし「自分の持ち味はスピード」と機敏にバックを取って3―0で快勝。初戦の硬さを感じさせずに勢いに乗った。

 決勝こそ念願かなった喜びの後で開始36秒でモンゴル選手に敗れたが、堂々の銀メダル、そして五輪切符獲得。「今までたくさん迷ってきた」という川井だが、ここからは迷いなくリオでの金メダルだけを目指せる。

 ◆川井 梨紗子(かわい・りさこ)1994年(平6)11月21日、石川県津幡町生まれの20歳。全日本学生王者の父・孝人さんと89年世界選手権代表の母・初江さんの影響で、小2から金沢ジュニア教室でレスリングを始める。至学館高から至学館大に進学。13、14年に世界ジュニア連覇。全日本選抜選手権では12年に51キロ級、15年に63キロ級で優勝。1メートル60。

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