エディージャパン W杯前最終戦で逆転勝ち!マフィ復活T

[ 2015年9月7日 05:30 ]

<日本・ジョージア>後半、突進するマフィ(中央)

ラグビー強化試合 日本代表13―10ジョージア代表

(9月5日 英グロスター)
 W杯前最後の試合に臨んだ日本代表は、13―10でジョージア代表に逆転勝利を収めた。昨年11月23日の対戦ではFW戦で圧倒され、テストマッチの連勝を11で止められた相手に、セットプレーで互角以上の奮闘。昨年12月に左股関節を脱臼骨折し、同戦以来の代表戦出場となったNo・8アマナキ・レレィ・マフィ(25=NTTコミュニケーションズ)が後半37分に逆転のトライを奪い、完全復活をアピールした。

 奇跡的な復活を遂げた男が試合を決めた。4点を追う後半37分、左ラインアウトからモールに持ち込むと、最後は途中出場のマフィが決勝トライ。テストマッチ初トライで約10カ月ぶりの代表復帰戦を白星で飾り「いつでも行ける準備をしていた。久しぶりのテストマッチだったが、自分がチームを勝たせるんだと思いながらプレーした」と満足げに話した。

 「ギフト」。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)が、マフィを例える時に使う言葉だ。そこには「神からの授かり物」という意味が含まれる。12年4月に就任した時からW杯メンバー31人の構想を練ってきた指揮官だが、当時のマフィは全国的に無名の花園大3年生。昨年のトップリーグデビューから数試合だけで名将の心をわしづかみにし、9月の合宿に初参加。11月1日のマオリ・オールブラックス戦(非テストマッチ)で代表デビューし、31人の構想に割って入った。

 昨年12月7日のトヨタ自動車戦(瑞穂)で左股関節を脱臼骨折。通常全治1年の重傷だった。「初めてラグビーをやめたいと思った。もう無理と。神様に“何で俺を選んだのか”と言った」。マフィ自身、ふさぎ込んで入院生活を送っていた今年1月のある日、ジョーンズHCが見舞いに訪れた。手には「ナキ 9・19 南ア」、そして代表候補選手全員のサインが入った赤白のジャージー。一度は諦めた大舞台へ、再び心を奮い立たせ、死に物狂いでリハビリに励んだ。当初は構想外としていたが、3月発表のW杯第2次候補に追加で名前を加えた指揮官も「素晴らしい選手」と称えた。

 ジョーンズHC、ジャージーとともに撮った写真は自身のスマートフォンに保存し、イングランドの地に持ち込んでいる。「家族や周りの方々のサポートがあったからこそなので、W杯へ向けてさらに頑張りたい」。感謝の言葉を並べた「贈り物」が日本に24年ぶりW杯勝利をもたらす。

 ◆アマナキ・レレィ・マフィ 1990年1月11日、トンガ生まれの25歳。5歳からラグビーを始め、高校まではトンガ国内でプレー。10年4月に関西大学リーグBの花園大に入学。14年4月にNTTコミュニケーションズ入りした。同年秋の日本代表合宿に初招集され、11月15日のルーマニア戦(ブカレスト)で代表初キャップを獲得。1メートル89、112キロ。ポジションはNo.8。今年3月にあずささん(26)と結婚。愛称は「ナキ」。

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