エディーJ 錦織に学べ“世界相手にスタイル貫く”ラグビーも同じ

[ 2015年4月7日 05:30 ]

合宿初日、練習を見守るジョーンズHC

 錦織を見習え!ラグビーの日本代表が6日、9月に開幕するW杯イングランド大会へ向けて、宮崎市内で新シーズン初の合宿をスタートさせた。これまで7度のW杯でわずか1勝のジャパン。負の歴史に終止符を打ち、目標の8強入りをかなえるため、オーストラリア出身のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC、55)はプロテニスの錦織圭(25=日清食品)を例に挙げて選手に訓示を行った。

 W杯初戦となる9月19日の南アフリカ戦まで166日。最高気温28度と温暖な宮崎での合宿初日は雨にたたられた。始動日とあって練習は午後3時から約2時間半だけ。ジョーンズHCもリラックスした表情で練習を見守ったが、正午からのミーティングでは熱弁を振るっていた。

 「錦織のことを話した。錦織は世界で5位(6日に4位へ浮上)。世界のトップ選手はほとんど2メートルなのに、1メートル78しかない。自己流のスタイルを信じている。パワーゲームに持ち込まず、ボールを動かして相手を動かしている。日本のラグビーにも同じことが言える」

 かつては日本人でありながら米国に育てられた選手として、錦織に関心を示さなかった指揮官。屈強な海外選手を向こうに回し、躍進を続ける姿にジャパンの理想を重ねたのだろう。先週のマイアミ・オープンで2メートル8のイスナー(米国)に敗れた例も持ち出し「敗れても錦織はスタイルを変えないだろう。もっとフィットネスを付けて自分のことを信じる」。ラグビー日本代表もパワーやセットピース、キックゲームでは世界の強豪に劣る。常にボールを保持し、絶えず動かす「ジャパン・ウエー」を貫く覚悟を説いた。

 そのための合宿は前例のない厳しさとなる。12年4月の就任以来、早朝からの4部練習など世界一の練習量を課してきたが、今年はW杯初戦までの166日間のうち拘束期間139日という過酷な日程も決めた。8月10日以降はW杯終了まで選手を拘束。「犠牲を払う覚悟がなければここにいる必要はない。スタッフにも選手にも同じことが言える」と語気を強めた。

 13年にウェールズ撃破、14年に世界ランキング9位と新たな歴史をつくってきたエディージャパン。集大成のW杯に向け、1日も無駄にできる日はない。

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