逸ノ城 Xマスはやせ我慢、初場所10勝へ年内は無休で稽古

[ 2014年12月25日 05:30 ]

「ケンタッキー」から贈られたフライドチキンを手にする逸ノ城

 日本相撲協会は24日、初場所(来年1月11日初日、両国国技館)の新番付を発表し、大関昇進の足掛かりを築きたい逸ノ城(21=湊部屋)は2場所連続で西関脇を務める。埼玉県川口市の湊部屋で会見を行った“怪物”は今場所の目標を2桁勝利に設定。大みそかまで稽古をし万全の状態で初日に挑む。大鵬を抜いて単独史上最多となる33度目の優勝を狙う横綱・白鵬(29=宮城野部屋)は6場所連続で東の正位に座った。

 怪物の思考回路の中には既に最速大関という青写真が描かれていた。初場所で2場所連続で関脇を務める逸ノ城は新年の目標を問われると「もう1つ上を目指して頑張っていきたい」と断言。来年9月の秋場所までに大関昇進を決めれば、豊山、雅山の所要12場所(幕下付け出しデビュー)を抜いて史上最速となる。「そう簡単になれないものなので夢のように思っている」と見解を述べたが、次なる初場所は、その領域へ一歩でも近づく心構えだ。三役で3場所33勝が昇進への目安となるだけに「初場所は2桁勝てるように頑張りたい」と足掛かりを築くことを約束した。

 堂々と大きなことを口にできるのは状態がいい証拠。新関脇で8勝7敗と勝ち越した11月の九州場所は、10月中旬にストレスによる帯状疱疹(ほうしん)で入院した影響もあって関取衆との稽古を一度もできずに初日を迎えた。だが、今回は既に追手風部屋に自ら出向いて遠藤と稽古をするなど充実しており「いいと思います」と手応え十分。27、28日にも追手風部屋に出稽古する予定で、師匠の湊親方(元幕内・湊富士)は昨年休養だった大みそかについても「稽古します」と明かした。年明けは4日から稽古を再開。その後、横綱・鶴竜に稽古をつけてもらう構想だ。

 この日は初土俵以来初めて迎えるクリスマスイブ。師匠が「聞いてやらないで」と報道陣をいさめたように一緒にケーキを食べる存在はいない様子で、本人も「部屋でゆっくりする」とポツリと言った。その上「体が重い。205キロはあると思う。体重計に乗るのが怖い」という現状で、師匠からは185キロまでのダイエットを厳命されている。

 湊部屋ではこの日夜に毎年恒例のクリスマスパーティーを開催。おかみさんがピザやケーキなどを準備したが、25日には相撲協会が公式適用する体重測定が行われるだけに逸ノ城だけは蚊帳の外…。全ては大関の地位を手に入れるため。今は恋人探しも甘い物も我慢して相撲道だけに精進する。

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