早大・渡辺監督 ラスト箱根へ「平常心」調整法見直し故障者ゼロ

[ 2014年12月25日 05:30 ]

部員に囲まれ笑顔で拳を突き上げる渡辺監督(前列中央)

 第91回箱根駅伝(来年1月2、3日)で11年以来4大会ぶりの総合優勝を狙う早大が24日、所沢キャンパスで取材に対応し、来年3月末で退任する渡辺康幸駅伝監督(41)は最後の采配での平常心を強調した。選手として3度区間賞を獲得し、監督としては10年度に3冠を達成。思い出の詰まった最後の箱根路で有終の美を目指す。

 最後の箱根路へ最高の状態で臨む。渡辺監督は「条件がそろえば、(総合)11時間を切れる準備はできた」と晴れやかな表情を見せた。来年3月での退任が決まり、大学駅伝の指揮は今回が最後。「最後だからといって特別変わったことをするのではなく、平常心で采配を振りたい」。静かな語り口に固い決意をにじませた。

 10年度の3冠から続けてきた調整法を一から見直した。「最近は故障者が多くてベストメンバーが組めなかった」という反省から、往路優勝した6年前のメニューを採用。集中強化練習を第1、2クールに分け、間に休養を入れた。その結果、全体の走行量は変わらないまま、故障者を出さずに練習を消化できた。順調に調整が進み「(区間配置も)もう決めてある」と手応えを得ている。

 往路から主力を投入し山に勝負を懸ける。5区が濃厚な山本主将は「渡辺さんのおかげで今があるのは間違いない。最後に胴上げして恩返しができるように一丸となって走りたい」と意気込む。指揮官は「まだ区間賞を獲ったことがない」と辛口だが、今年と比べ最大で4分はタイムを短縮できると計算。「山(5、6区)で2人とも区間賞を獲って流れをつくりたい」と期待を込めた。

 「僕が最後だから今回だけ頑張るのではなくて、走る中で常に主導権を取って前に行く気持ちを表してほしい」。魂の走りを要求した指揮官は、その一方で「見えない力が働いて優勝で終われればいい」とチームの結束にも期待していた。

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2014年12月25日のニュース