逸城、入院で秋巡業休場 怪物も人の子…ストレスで帯状疱疹

[ 2014年10月17日 05:30 ]

10日の横浜巡業で鶴竜(左)に稽古をつけてもらい、苦しそうな表情を見せる逸ノ城

 大相撲の秋場所で新入幕ながら13勝を挙げた幕内・逸ノ城(21=湊部屋)が16日、帯状疱疹(ほうしん)のため入院し、17日から神奈川県秦野市で再開される秋巡業を休場することになった。精神的なストレスが原因で14日に発症。埼玉県内の病院で診察を受けた結果、約1週間入院することになった。九州場所(11月9日初日、福岡国際センター)の出場には影響はなく、順調に回復すれば秋巡業の終盤に復帰する可能性もある。

 逸ノ城は日本相撲協会に「診断名・帯状疱疹。背部を中心に発赤・水疱(すいほう)を認め、約7日間の入院加療を要す」との診断書を提出。師匠の湊親方(元幕内・湊富士)は原因について「ストレスでしょう。今までも稽古は十分にやってきているので疲れが原因ではない」と説明し、17日から神奈川県秦野市で再開される秋巡業について「休場します」と明かした。

 秋巡業は今月10日に横浜市から始まり、逸ノ城は3日連続で横綱・鶴竜からぶつかり稽古で厳しい稽古をつけられた。13日の高岡巡業では膝と腰に痛みが出たため土俵上での稽古を回避。その上、秋場所の活躍により注目度が急速に高まり、巡業中もイベント参加や取材で多忙を極めた。

 巡業の中休みで埼玉県川口市内の湊部屋に戻っていた14日に帯状疱疹の症状が出始め、この日になって埼玉県内の病院で受診。今後約1週間入院することが決定した。秋巡業は26日の最終日まで残り9カ所を残しているが、湊親方は「回復したら出させます」と途中参加を示唆。三役昇進が濃厚の九州場所の出場には影響することはないという。

 注目度No・1力士が急きょ休場になったことを受け、秦野巡業の担当者は「人気の力士さんなので残念ですけど仕方ないですね」とガックリ。12日の金沢巡業の朝稽古中に逸ノ城を熱心に技術指導していた芝田山巡業部副部長(元横綱・大乃国)は「寂しいな」と言いつつ「休まないと治らないから」と症状に理解を示した。秋場所では鶴竜と稀勢の里を立ち合いの変化で破るなど強心臓ぶりを発揮した“怪物”も、やはり人の子。九州場所で再び大暴れするため、しっかりと休養することになった。

 ▽帯状疱疹 子供がかかる水疱瘡(ぼうそう)と同じ水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスが原因。過労やストレスなどで免疫力が下がると、体の神経節に潜んでいるウイルスが神経を伝わり、皮膚に帯状になって現れてくる。症状としては、チクチクと針で刺されるような皮膚の痛みや発疹、熱が出る場合も。昨年9月には巨人の阿部慎之助捕手が発症し、6試合連続で先発から外れた。

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2014年10月17日のニュース