錦織 右臀部痛み耐え8強!2週連続Vへ決意のダブルス棄権

[ 2014年10月3日 05:30 ]

<楽天オープン 男子シングルス2回戦>相手に粘られ苦しい戦いとなった錦織は試合中にこん身のガッツポーズ

男子テニス楽天ジャパン・オープン第4日

(10月2日 東京 有明テニスの森公園)
 シングルス2回戦が行われ、世界ランク7位の錦織圭(24=日清食品)が同57位のドナルド・ヤング(25=米国)を6―4、7―6で下し、3年連続でベスト8を決めた。錦織は雨での中断や右臀部(でんぶ)の痛みを乗り越えてストレート勝ちしたが、内山靖崇(22=北日本物産)と組んだダブルスの準々決勝は棄権した。3日のシングルス準々決勝では同34位のジェレミー・シャルディー(27=フランス)と対戦する。

 あまりの集中力で試合終了に気付かなかった。第2セットのタイブレーク、相手がボールをネットにかけて勝利が決まった。だが、錦織はガッツポーズをするでもなく、戦闘態勢のままプレーを続行するそぶりだった。

 「抜けてた。5―3から6―3になったと思っていた。試合終了でラッキーだった」。前日1日の試合後から感じていた右臀部の痛みもあり「このセットで終わらせたかった。毎ポイント集中してから抜けたんだと思う」と苦笑いを浮かべた。

 突然の中断もあった。2―2で迎えた第1セット第5ゲーム、40―30とブレークのチャンスで降雨中断。1万2191人で埋まった会場の屋根を閉め、コートを乾かすのに約30分を要した。だが、再開直後にポイントを奪って流れを引き寄せ「集中してすぐにポイントが取れて良かった」と勝負どころを振り返った。

 シーズン上位8人しか出場できないATPツアー・ファイナル(ロンドン)の出場権争いは現在6位。今大会を含めた残り4大会での成績が命運を分ける。シングルス後に予定されていたダブルスは体に負担をかけないためにやむなく棄権。全米オープンから続く快進撃にマイケル・チャン・コーチも「今年は結果を残した。ロンドンでも成績を収めたい」と最終戦まで見据えている。

 さらに同コーチはスポニチ本紙の取材に「最終戦後にもう一度何が改善できるのか見直して評価し、来年取り組む部分を話し合う」とも明かした。錦織はチャン・コーチとの来季について、9月16日のイベント時には「まだ話はしていない」と答えていた。しかし、錦織の大きな可能性を知るコーチとしては、前向きにタッグ継続と来季のさらなる飛躍を考えているようだ。

 4強入りを懸けて戦うシャルディーは過去1勝2敗で最近は2連敗。「タフな試合になってくる」と錦織。2週連続優勝へ、試練を乗り越える。 

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