一ノ瀬逆転V 予選落ち初戦から「自信持って」変身

[ 2014年3月17日 05:30 ]

プレーオフ1ホール目、バーディーで優勝を決めガッツポーズする一ノ瀬

女子ゴルフツアー ヨコハマタイヤPRGRレディース最終日

(3月16日 高知県香南市 土佐カントリークラブ=6232ヤード、パー72)
 プロ8年目の一ノ瀬優希(25=加賀電子)が、逆転優勝した。2打差から出て67をマークし、通算7アンダーで並んだ酒井美紀(22=国際スポーツ振興協会)とのプレーオフを制した。オフに左鎖骨を痛め調整不足だったが、岡本綾子の金言を胸に昨年3月のTポイントレディース以来のツアー2勝目を挙げた。17歳の女子高生アマ・森田遥(高松中央高2年)は通算6アンダーの3位だった。

 プレーオフ1ホール目の18番。3メートル先のカップに向け、ボールがラインの半分ほど転がったところで一ノ瀬は、力強いガッツポーズを見せた。「カップに向かっていったので思わずしちゃいました」。狙い通りに攻め計算通りに勝ったプレーオフだった。「さっき(正規のラウンドで)回ったばかりだから」。パーだった最終ラウンドと同じピン右を狙って第2打を打ち、今度はフックラインをしっかり読み切った。

 鮮やかな逆転勝ちだった。首位と2打差で出て2番でボギーを叩くも、すぐに取り返す粘りがあった。9番バーディーの後、10番パー5で残り138ヤードの第3打を7番アイアンで直接入れてイーグル。11番もバーディーと畳みかけ「流れができた」という。15番では、1打差で追ってきていた同組のアマ・森田が3メートルのバーディーパットを先に入れた。「彼女が入れたことで絶対に決めたいと思った」。闘志に火を付けつつ、思い出したのは時々指導を受けたり食事を共にする岡本綾子の「自分のゴルフに集中しなさい」という教えだった。再び気持ちをフラットにし、3メートル弱のバーディーパットをねじ込み17歳を突き放した。

 1月初旬に左鎖骨周辺を痛め、今オフは練習ラウンドがほとんどできなかった。痛みが治まったのは開幕戦の1週間前で、一新したアイアンを試したのも開幕戦の会場の沖縄に入ってから。その影響もあって初戦は予選落ちし、今大会は「自信を持って打つこと」と気持ちを切り替えた。大会前から少しずつ練習量を増やすと自然とショットの切れが戻ってきた。

 賞金女王が4人も出ている熊本県出身。今季の目標の年間2勝を早くも半分クリアし「強くて息の長いゴルファーになりたい。賞金女王にもなりたい」と目標を上方修正していた。

 ◇一ノ瀬 優希(いちのせ・ゆうき)1988年(昭63)10月5日生まれの25歳。熊本市出身。12歳からゴルフを始め、御船高卒業後、07年プロテストで一発合格。08年から本格参戦し賞金シードを獲得。13年Tポイントレディースで初優勝し賞金ランク自己最高の13位に。1メートル58、54キロ。

続きを表示

この記事のフォト

2014年3月17日のニュース