大丈夫か日馬富士 貫禄なし…天敵・栃煌山に6勝5敗

[ 2013年7月3日 06:00 ]

春日野部屋に出稽古した横綱の日馬富士(右)は20番で14勝6敗、栃煌山には6勝5敗だった

 大相撲名古屋場所(7日初日、愛知県体育館)で3場所ぶりの優勝を目指す横綱・日馬富士(29=伊勢ケ浜部屋)に黄信号がともった。2日、愛知県春日井市の春日野部屋で出稽古を行ったが、幕内・栃煌山(26)らとの申し合いは14勝6敗。特に三役経験豊富な栃煌山に6勝5敗と苦しめられるなど、調整不足を露呈した。

 綱の貫禄を示すはずの出稽古で不安をさらけ出してしまった。名古屋入り後初の出稽古は、20番取って14勝6敗。日馬富士は約30分の稽古を終えると、「いい汗をかかせてもらった。体が重いね。調子はどうなんだろう」としきりに首をかしげた。

 この日、横綱が胸を出したのは、十両・栃乃若(25)、幕内の栃ノ心(25)、碧山(27)、栃煌山の4人。栃煌山以外には1敗しかしなかったが先場所5日目に苦杯をなめた天敵にはてこずった。本場所でも通算9勝7敗と苦手にしているように、この日も立ち合いから一気に土俵際まで押し込まれた。投げの打ち合いでは自らが寄り倒されるなど、11番連続で取って6勝5敗。古傷の両足首の状態が完調ではないとはいえ、「ケガを治しながら体と相談しながらやっている。激しい稽古はできないからね」と最後は必死に弁明するありさまだ。

 3日は場所前恒例となっている鳴戸部屋への出稽古を行い、綱獲りを狙う大関・稀勢の里(27=鳴戸部屋)と申し合いを行う。大関も前日の出稽古で栃煌山に苦戦しただけに「俺も力が出ないし、お互い力が出ないからいいのかも」と自虐的な発言も飛び出した。

 名古屋場所は過去2年、圧倒的な強さで賜杯を手にしているが、今年は様相が一変。北の湖理事長(元横綱)や横綱審議委員会からは名古屋場所では13勝以上の勝ち星を厳しく要求されている。現状では、3連覇より、場所後の進退問題再燃の可能性が高まっている。

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2013年7月3日のニュース