早大4強王手 前半5トライで流通経大撃破

[ 2012年12月17日 06:00 ]

<流経大・早大>後半18分、中鶴が巧みなステップで3人を振り切って自身この日2つ目のトライを決める

ラグビー全国大学選手権第2ステージ第2節 早大45-24流通経大

(12月16日 秩父宮)
 各地で第2ステージ第2節8試合を行い、B組は早大(関東対抗戦4位)が流通経大(関東リーグ戦2位)を45―24で下して首位に浮上した。A組は筑波大(関東対抗戦1位)が慶大(同5位)に55―28で逆転勝ちして4強一番乗り。D組は帝京大(同2位)が福岡工大(第1ステージ1位)から18トライを奪い1試合得点記録3位の116―0で大勝。C組は東海大(関東リーグ戦1位)と明大(関東対抗戦3位)が2連勝し、23日の最終節で直接対決する。

 早大が電光石火の攻撃を見せた。試合開始から激しいプレッシャーと速い展開で流通経大を圧倒。9分にフランカー金(3年)の先制トライで勢いに乗った。WTB中鶴(なかづる、4年)は12分に続いて、18分には5人をかわして約50メートルを走りきってトライ。23、27分と5本立て続けにトライを奪って勝負を決めた。

 後藤禎和監督(45)は「今季の目標に掲げた先手必勝の試合展開ができた。前半は90点をあげてもいい」と満足げ。後半残り10分に2トライを奪われて課題も残る。それでもWTBに荻野(2年)と中鶴、FB原田(4年)と超攻撃的なバックスリーを先発に起用した作戦もはまって逃げ切った。

 現在の4年生は高校日本代表7人が入学し、4季ぶり日本一奪還の期待が懸かる。しかし、関東対抗戦では83年以来29季ぶり3敗の屈辱。危機的状況でも後藤監督は「うそつきだと言われるけど、優勝を狙える力は十分ある」と言い続け、大学選手権に突入しても選手を徹底的に鍛え続けた。

 中鶴は「去年までは選手権に入ってから調整し過ぎている部分があった。今年は緊張感を持って練習して調子が上がっている」と手応えを口にした。関西王者の天理大、関東リーグ戦2位の流通経大を撃破。来季サントリー入りするエースは「みんな自信がついてきた」と胸を張った。

 中鶴は4月4日にがんで急逝した母の信子さん(享年48)に「墓前で日本一を報告したい」と誓い臨んでいる。1年浪人して筑波大に入学した兄・憲章(4年)は一足早く4強入り。早大も最終戦の大体大戦に勝てば2季ぶりの準決勝に進出する。中鶴は「母は(兄弟対決を)見たくないと思うけど自分としてはしたい」と闘志を見せた。

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