沙羅 伸びきれず3位「集中が欠けていた」

[ 2012年12月10日 06:00 ]

3位に入り笑顔を見せる高梨沙羅(右)

 ノルディックスキーW杯ジャンプは9日、ソチ冬季五輪テスト大会を兼ねてロシアのソチで女子の個人第3戦(HS106メートル、K点95メートル)を行い、前日2位の16歳、高梨沙羅(グレースマウンテン・インターナショナル)は1回目に97メートルでトップだったが2回目は91・5メートルで、合計228・9点の3位だった。ダニエラ・イラシュコ(オーストリア)とコリーヌ・マテル(フランス)が231・1点の同点でともに今季初勝利を挙げた。伊藤有希(北海道・下川商高)が10位、山田優梨菜(長野・白馬高)は23位、渡瀬あゆみ(サッポロスキッド)は29位。

 首位で迎えた2回目に、踏み切りのタイミングが遅れた。距離を伸ばせずにK点の3・5メートル手前に着地すると、高梨は少し顔をこわばらせた。「空中で立て直すのが大変だった。集中が欠けていた」とミスを悔やんだ。

 1回目は97メートルながら前日に決められなかった、足を前後に開くテレマーク姿勢を入れて1位で折り返した。2回目は全選手でもっとも強い追い風をもらう不利な条件で飛んだが「風よりも自分のジャンプが悪い」と言い訳はしなかった。

 今季はスーツが体に密着し、昨季のようにスムーズに助走を滑る姿勢を探すのに苦労している。試行錯誤は続くが「ましになりつつある」と手応えも口にした。冬季五輪の舞台で2日連続で表彰台には上がった。「まだ五輪は考えられないけど、もう一度(この台で)飛べるように頑張る」と意欲を示したエースが得たものは大きい。

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