武藤 初の完全V!「元気がない」30代が真価を発揮

[ 2012年8月20日 06:00 ]

最終ホールをバーディーで優勝を決めガッツポーズの武藤

男子ゴルフツアー 関西オープン最終日

(8月19日 大阪府堺市 泉ケ丘カントリークラブ=6929ヤード、パー71)
 初日から首位の武藤俊憲(34=赤城CC)が6バーディー、4ボギーの69で回り通算18アンダーで初の完全優勝。昨年11月のダンロップフェニックス以来となるツアー通算5勝目を挙げた。13番から3連続ボギーを叩き、金亨成(32=韓国)に並ばれたものの、18番でバーディーを奪い1打差で振り切った。池田勇太(26=日清食品)はイーブンパーの71とスコアを伸ばせず、4位に終わった。

 追い込まれた時こそ、真価が問われる。13番からの3連続ボギーで貯金を全て失った武藤は、18番パー5でも難しい状況に追い込まれた。第3打は残り62ヤードのラフから。「こういう距離が残るんだな」。この1カ月、全英オープン、ブリヂストン招待と海外の大きな試合に出場し、自分に足りない技術に気付かされた。「SWの距離感とスピンコントロール」は、その一つ。最終日の朝も「ラフから80ヤード前後のショットを繰り返し練習していた」という。その成果を示す場面が土壇場でやってきた。

 ピンの位置は手前から6ヤード。ラフからはボールが止まりにくいため、狭いエリアに落とさないとチャンスにならない。一時は3打差のリードがあった分、プレーオフも悔しい。「これを寄せればチャンスがあるんじゃないか」。腹をくくったSWのショットは、エッジ付近に落ちて転がり、ピン奥4メートルで止まった。このフックラインを沈めてバーディー。並んでいた金亨成を1打差で振り切った。

 自身初の完全優勝を果たしたが、「達成感はないです。3連続ボギーはやってはいけない。危なっかしすぎる。通算20アンダーを超えて優勝しないといけないと思っていたので、18(アンダー)ではダメ」と、反省の弁ばかりが口をつく。海外を知り、自分に求めるレベルが格段に上がった。満足感にはほど遠かった。11月には世界の強豪が集結する米ツアーHSBCチャンピオンズ(中国)に出場する。そこで「日本で何勝した選手と紹介されたい」と意気込む。今季海外で奮闘する日本人と言えば、20代の石川と40代の谷口、藤田。30代はやや影が薄い。「僕らの世代が元気がない。ちょっと頑張らないと」。5勝目を挙げた34歳は世界に目を向けていた。

 勝者のクラブ ▼1W=テーラーメイド・R11S(シャフトの長さ44・5インチ、硬さXX、ロフト角9・7度)▼3W=同ロケットボールズ▼5W=同Vスチール▼3I~PW=同ツアープリファードMC▼ウエッジ=タイトリスト・ボーケイ・スピンミルド(52、58度)▼パター=オデッセイ・ブラックシリーズiX♯1▼ボール=タイトリスト・プロV1

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2012年8月20日のニュース