古川“山本先生”以来の銀!早くも4年後リオに照準

[ 2012年8月4日 06:00 ]

銀メダル獲得をガッツポーズで喜ぶ古川

ロンドン五輪 アーチェリー男子個人

 男子個人を3日に行い、古川高晴(27=近大職)は決勝で呉ジンヒョク(韓国)に1―7で敗れ、銀メダルとなった。同種目の日本勢のメダルは04年アテネ大会で銀メダルを獲得した山本博(日体大教)以来。日本アーチェリー史上初めての金メダル獲得はならなかったが、3度目の五輪でついに花開いた。

 悔しさよりも喜びが勝っていた。決勝戦。第4セットで韓国選手の3矢目が10点に刺さり、敗戦が決まると古川はコーチとうなずき合った。

 「うれしいですけど、最後は少し悔しかった。最後まで韓国の選手と当たらなかったので、運が良かった。今までは肩に重圧がかかっていたけど、今は首が重いです」。表彰式では誇らしげに首にかけられたメダルを右手で持ち上げた。

 自らの予想を超える結果だった。大会前に自身に課したノルマはベスト8。それを超え「あとは楽しみたい」と無欲で臨んだ準決勝では、3―5と追い込まれるが、第5セットで追いつき、シュートオフで的の真ん中の10点を射抜いて逆転勝利。何度もガッツポーズをつくって歓声に応えた。

 持ち味は抜群の安定感。それを支えるのは自他共に認める豊富な練習量だ。1日で射る矢は多い時で600本にも及ぶ。「きょう当てるためだけじゃなくて、1年後、2年後にうまくなるためにやっている」

 「僕はこつこつ型ですから」と笑った古川。視線の先には、4年後のリオデジャネイロ五輪も、当然入っている。

 ▽アーチェリー 軽合金やカーボン素材の弓矢で的を射て合計得点を争う。五輪は70メートルの距離で行われ72射のランキングラウンド後、64選手によるトーナメント方式の個人戦と1チーム3人で行う団体戦を行う。個人戦は1セット3射(30点満点)を最大5セットを行う。各セットごとに争い、勝ちは2ポイント、負けは0ポイント、引き分けは1ポイントを獲得。6ポイント先取で勝ちとなる。5セット終了時で同ポイントの場合は延長戦を行う。延長戦は両者が互いに1射し、高得点の方が勝ち。得点が同じ場合は中心に近い矢の競技者を勝ちとする。制限時間は、1射につき20秒。長く五輪競技から外れていたが、72年ミュンヘン五輪で復帰した。

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2012年8月4日のニュース