遼空回り59位「僕一人だけがゴルフ場にいない感じ」

[ 2011年11月11日 06:00 ]

13番、石川はティーショットを放つも1オンできず

 男子ゴルフツアーのスポニチ後援・三井住友VISA太平洋マスターズ第1日は10日、静岡県御殿場市 太平洋クラブ御殿場コース(7246ヤード、パー72)で行われ、連覇を狙う石川遼(20=パナソニック)が大きく出遅れた。18番パー5でのチップインイーグルはあったものの、ショットもパットも精彩を欠き2オーバーの74。一時は最下位に沈むほどの乱調で、首位と8打差の59位発進となった。鈴木亨(45=ミズノ)が6アンダーの66で首位に立ち、1打差にマスターズ覇者のシャール・シュワーツェル(27=南アフリカ)、谷口徹(43=フリー)らがつけている。

【第1R成績】

 賞金ランク上位3人がそろい踏みした豪華ペアリング。寒さの中でも順調にスコアを伸ばしたベ・サンムンや小田孔とは対照的に、石川だけがお寒い内容に終始した。74でホールアウトし「2人ともさすがだった。僕一人だけがゴルフ場にいない感じだった」とお手上げの様子だ。

 インスタートの前半から思い切りを欠いたスイングを連発した。13番パー3では第1打が大きくショートしてボギー。それを引きずった14番パー4では1Wを左にブン曲げる、お決まりのミスが出た。崖下から林を抜いてグリーン右まで運んだが、結局ダブルボギーでナイスリカバリーも生かせずじまいだった。

 相性抜群のコースで連覇の懸かる今大会。開幕5日前から連日ラウンドして準備を進めてきた。何としてでも勝ちたいという思いがどこかに引っかかり、「置きにいく」スイングになった。最下位に沈んだ直後の18番パー5のチップインイーグルも導火線とはならず、「怒りや焦りも通り越しちゃった」と最後までもがき苦しんだ。

 ラウンド後の練習場では、1Wを中心に1時間以上フルスイングを繰り返した。終盤にはヘッドスピード測定器を持ち出して自ら計測。先週までは秒速54メートルがやっとだったのが、ダイナミックな体重移動を取り戻すために一本足打法でクラブを振ると秒速57メートルまで上がり、練習を切り上げる時は「あしたの朝は一本足打法で練習しよう」と気持ちを切り替えていた。

 昨年の初日も首位とは6打差だったものの、順位は14位。今回は8打差でしかも59位だ。「ここから上を目指してやっていくしかない」。連覇に黄信号のともる大きな出遅れだが、打ち込みを終えた石川の表情が明るかったのがせめてもの救いだった。

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2011年11月11日のニュース