名古屋場所「正常」開催へ 26日放駒VS文科省

[ 2011年5月24日 06:00 ]

横綱審議委員会の会合に臨んだ(左から)出羽海理事、放駒理事長、二所ノ関理事

 日本相撲協会の放駒理事長(元大関・魁傑)が26日に監督官庁の文部科学省を訪問し、名古屋場所(7月10日初日、愛知県体育館)の正常開催を申し入れることが23日、分かった。26日の理事会では八百長問題の特別調査委員会から出された最終報告書を承認し、名古屋場所を正常開催する方針を決定するが、文科省側が過去の八百長についての説明を求める意向であることも判明。すんなりと“ゴーサイン”を出せるかどうか、協会の対応が注目される。

 名古屋場所の正常開催を決める“Xデー”は26日となった。横審委員で名古屋場所を共催する中日新聞社の大島寅夫社長はこの日、放駒理事長が26日に文科省を訪問することを明言。文科省に対しては、八百長問題の経過報告とともに名古屋場所の正常開催を申し込む見通しで、大島社長も「OK(正常開催)にならないとダメでしょう。期待してます」と話した。

 放駒理事長は本場所再開の条件として八百長の「再発防止、処分、全容解明」を挙げ、外部主導で3点セットの整備を進めてきた。4月1日には25人の親方、力士を処分し、今月の技量審査場所では新生委員会が提案した再発防止策を導入。この日の横審の会合でも「疑わしい取組は一番もなかった」と報告された。さらに特別調査委員会も18日に最終報告書をまとめ、事実上の解散宣言を行っている。

 3点セットがそろえば協会も胸を張って正常開催に踏み切れるはずだが、おいそれとはいかない事情もある。関係者によると、最終報告書には、八百長は今回だけではなく受け継がれたものだという見解が記されているという。4月20日に行われた講談社との八百長裁判でも、協会側が「前回の訴訟の段階では、八百長は把握していなかった」と、過去にも八百長があったと受け取られかねない主張をしていた。

 文科省の関係者は「今までないと言ってきた説明責任をどう取るのか。そこを誠実に答えて過去から脱却しないと」と、過去の八百長についての明確な説明を求める構え。納得のいく説明がなければ、正常開催の“お墨付き”はもらえないことになる。一貫して「過去に八百長はなかった」と主張してきた放駒理事長は最後のハードルをどう乗り越えるのだろうか。

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2011年5月24日のニュース