阿覧まげつかんでワースト3度目反則負け…

[ 2011年5月15日 06:00 ]

<大相撲技量審査場所7日目>嘉風のまげをつかみ反則負けとなる阿覧(左) 

大相撲技量審査場所7日目

(5月14日 両国国技館)
 相撲界の信頼回復を目指す場所で、阿覧が不名誉な記録をつくってしまった。嘉風の押しに右からはたき込もうとした際に右手でまげをつかみ、歴代ワーストとなる通算3度目の反則負けを喫した。横綱・白鵬と新入幕の魁聖の2人が全勝をキープ。琴奨菊が魁皇に敗れ、1敗力士は大関・把瑠都と平幕の栃ノ心の2人となった。
【取組結果】

 幕内後半戦。突いて出て攻め込もうとした阿覧だったが、嘉風に押し返され懐に入られた。土俵際で苦し紛れに右からはたき込み、嘉風の体が落ちて軍配は自らに上がった。しかし、すぐに物言い。中村審判長(元関脇・富士櫻)がビデオで確認したところ、阿覧の右手が嘉風のまげをつかんでおり、09年九州場所4日目の玉乃島以来の反則負けを喫してしまった。

 「右手が入ってしまった。(まげをつかんだので)フィニッシュ。もう3回目よ。親方の手が上がったときに分かった。フィニートね」と英語、フランス語を交え自らの負けを素直に認めた。そして「相手が(懐に)入ってきてやりづらい。(嘉風は)あんまり好きじゃないし、どうすればいいの」とお手上げポーズをつくって反則は故意ではないことを強調した。

 しかし、ロシアで幼い頃からレスリングを習っていた阿覧は、苦しい体勢になると頭をつかんで引き落とそうとする癖がある。中村審判長は「(手が入ると)抜けなくなることもあるよ」とかばったものの、これで歴代ワーストとなる3度目の反則負け。放駒理事長(元大関・魁傑)は「引くと(まげをつかむことは)ままある。ただ、阿覧もこれまでにもあった」と渋い表情で話した。

 押し込まれてから繰り出すはたきは安易な技で、攻防の少ない内容になりやすい。結果的に楽な勝ち方をしようとしていたことが反則を招く事態につながったともいえる。「体は動いているしリラックス。あしたあした」と気持ちを切り替えていたが、八百長問題で失ったファンの信頼回復のためには、土俵上での立ち居振る舞いにも自覚が求められる。

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2011年5月15日のニュース