横審に寄り切られた?夏場所開催18日にも判断

[ 2011年3月11日 06:00 ]

会議を終え、会見する横綱審議委員会・鶴田委員長(左)と二所ノ関理事

 大相撲の横綱審議委員会が10日、東京・両国国技館で臨時の会合を開き、全会一致で放駒理事長(元大関・魁傑)に夏場所(5月8日初日、両国国技館)開催を申し入れた。会合では出席委員の厳しい開催要求に対し、放駒理事長も前向きに努力することを約束。18日に行われる特別調査委員会の会合で報告をまとめ、夏場所開催を含めた今後の方向性を決める可能性が高くなった。

 約1時間の会合では、横審委員が厳しい口調で夏場所開催を訴えた。いつもは30分弱で終了することが多いが、この日は出席した10人全員が発言。欠席した山田委員の主張も口頭で伝えられた。出席者によると、鶴田委員長は「早く態度を示してくれ」と問いただすと、協会側は「18日に(特別調査委員会の)会議があるから努力します」と返答したという。鶴田委員長は会見で「村山氏が“18日には調査委の最終報告がある”ようなことを、ちらっと言っていた」とも発言。協会側は否定したが、鶴田委員長は「理事長は、夏場所はやらなくてはならないという気持ちになっていると心証を得た」と満足そうに話した。

 放駒理事長は常々、八百長問題の全容解明がない限りは本場所を再開しない姿勢を示してきた。しかし、外部組織の運営審議会や新生委員会に加え、この日の横審も全会一致で夏場所開催を要求。この日の会合では、ある委員が「取組のビデオを見て、まわし組は(八百長の有無が)分かるのか」と質問すると、放駒理事長は「分かりません」と回答したという。調査に行き詰まりを見せる中、“外圧”に寄り切られる形で夏場所開催を決断せざるを得ない状況に追い込まれている。調査委は11、18日に会合を開くが、18日にも最終報告をまとめ、そこで疑いをかけられている14人らの処分を決定する可能性もある。それを受けて、相撲協会は夏場所を開催するか否かの方向性を固め、早ければ20日前後の臨時理事会で正式決定することになる。

 鶴田委員長は夏場所開催のリミットを3月いっぱいと設定。「調査は並行してやればいい。場所の開催は相撲協会のファンに対する責任だ。真面目に取り組んでいる力士を、不心得者の犠牲にしてはいけない」と話した。放駒理事長が決断を下す時が来た。

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2011年3月11日のニュース