遼くん ワトソンに名刺代わりの直ドラ披露

[ 2010年6月17日 06:00 ]

練習ラウンド中、トム・ワトソン(右)と記念撮影をする石川遼

 米男子ゴルフの米メジャー第2戦、全米オープン(17日開幕、米カリフォルニア州ペブルビーチゴルフリンクス)に初出場する石川遼(18=パナソニック)は15日、米カリフォルニア州モントレーで、予選の2日間で同組となる60歳のトム・ワトソン(米国)とインの9ホールをラウンドした。また、タイガー・ウッズ(34=米国)のプレーにも熱視線を送るなど、実り多き1日となった。

 攻撃的なゴルフが持ち味の石川らしい“あいさつ”だった。コース左側が太平洋に面した18番パー5(543ヤード)で、石川は残り280ヤードの第2打でドライバーを握った。2オン狙いの果敢な“直ドラ”は左に曲がって岩場で跳ねて海に消えた。「アゲンストだったので少しでもグリーンに近づけたいと思いましたが、左に引っかけました。本番でもドライバーはあります」。全米オープン31度目の出場となるゴルフ界の大先輩ワトソンの目の前で見せた豪快スイング。どんな言葉よりも伝わる自己紹介だった。

 当初は横尾と一緒に練習ラウンドを行う予定だったが、そこに予選で同組となるワトソンが飛び入り参加した。しかも、1つ後ろの組では大勢の観客を引き連れたウッズがプレー。「凄い空気でした。ギャラリーの熱気が凄かった」。石川にとっては夢のようなラウンドとなった。

 隣にメジャー8勝、後続に同14勝。「タイガーのプレーは見たいですから」と、ウッズが12番で練習を切り上げるまで、次のホールのティーグラウンドから後ろの組を観察。プレー中はワトソンの戦略を学んだ。「僕が刻むところはワトソンも刻んでいた。自分と照らし合わせられて良かった。中日クラウンズの58を知っているとも言われ、凄くうれしかった」。17番では、1982年の全米オープンでワトソンがニクラウスとの勝負に決着をつけるチップインバーディーを奪った地点で記念撮影。「ライが良くなくてSWで打ったんだよ」と思い出話を聞き、また興奮した。

 ワトソンは「スイングが素晴らしい。18歳?僕の3分の1にも満たない年齢なのにね」と石川を絶賛。一方のウッズは会見で、活躍する若手の代表としてマキロイと石川の名前を挙げた。石川は「(ワトソンとは)初対面で緊張した。初日に初めてでなく、きょう会えてラッキー」と興奮冷めやらぬ様子。本番へ、最高の予行演習になった。

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2010年6月17日のニュース