白鵬が年間最多勝記録に並ぶ

[ 2009年11月27日 17:54 ]

琴欧洲を下し、年間84勝目を挙げた白鵬

 大相撲の横綱白鵬が九州場所13日目の27日、大関琴欧洲を下して13戦全勝とするとともに年間84勝とし、2005年に同じモンゴル出身の横綱朝青龍がつくった年間最多勝記録に並んだ。白鵬は残り2日で1勝でもすれば、最多勝記録を更新する。今年に入り、先場所まですべて1場所14勝以上の白鵬は優勝2回、優勝決定戦での敗戦3回で、本割でわずか4敗しか喫していない。

 今年の84勝目を挙げて年間最多勝記録に並んでも、白鵬は苦笑いで口を開いた。「まあ、分かんないね。喜んだ方がいいのかな?」。賜杯の行方が決まっていない上に、記録にはまだ追いついただけ。白鵬からは優勝への思いと、朝青龍の記録を超えるまでは喜べないという強烈な自負がにじんだ。
 13勝目は少してこずった。自分より11センチも背が高い琴欧洲に浅くもろ差しを許した。しかし、ここからが白鵬の底力。左右に体を揺らして相手の差し手を殺し、左内掛け。体勢を崩した琴欧洲に対して素早く左を巻き替え、体を預けるようなすくい投げを決めた。
 朝青龍が敗れたため、後続に2差とする大きな白星。「あそこで止まってはいけない。我慢しながらやったのがよかった」と納得の口調だった。
 12回目の優勝となれば、尊敬する横綱双葉山に並ぶ。今年に入って84勝4敗だが、優勝決定戦で3度負け、優勝は2回止まり。武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)が「安定感があるんだけど、優勝は少ないんだよね。何でかな」と指摘するように、勝利数の割には少ない。
 白鵬本人もそのことを意識している。「まずは優勝して結果を出したい」。あと1勝して不世出の大横綱の優勝回数に並んだとき、自らが成し遂げる新たな年間最多勝記録の歓喜もわいてくるのだろう。

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2009年11月27日のニュース