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順大がJ1ジャイキリ FC東京撃破“清水東三羽がらす対決”堀池監督に軍配 天皇杯2回戦

[ 2021年6月10日 05:30 ]

天皇杯2回戦   順大2-1FC東京 ( 2021年6月9日 )

延長戦の末、FC東京に勝利し、喜ぶ小林里(中央)ら順大イレブン
Photo By 共同

 各地で2回戦が行われ、順大がFC東京を延長の末に2―1で撃破した。前半9分に先制されたが、後半43分に同点弾。延長前半終了間際にはFC東京U―18出身のMF小林里駆(19)がPKを冷静に決めて、劇的な逆転勝利で下克上を成し遂げた。横浜はホンダFCに2―2からのPK戦で屈した。大会連覇を目指す川崎FはホームでJ3長野と対戦し、PK戦で勝利。苦しみながらも3回戦に駒を進めた。

 激闘の決着を告げる終了の笛が鳴り響くと、順大の堀池巧監督(55)は両手で力強くガッツポーズした。ベンチからは歓喜の声があがり、ピッチ上の選手たちは満面の笑みで逆転勝利を喜び合った。

 前半9分に先制される苦しい展開だった。しかし、すぐに気持ちを切り替えた。球際で激しく戦い、セカンドボールを回収。特に後半はボールを保持して押し込んだ。すると43分に同点。延長前半終了間際にはFC東京U―18出身のMF小林里が自ら獲得したPKを沈めて逆転した。「恩返しというか、絶対に負けたくなかったので決められてうれしかった」。番狂わせとは言わせないほど、堂々の内容で勝利をつかんだ。

 同級生指揮官対決だった。対戦相手の長谷川監督とは清水東高の2年時に全国高校サッカー選手権を制し、3年時も準優勝した戦友。大榎克己氏(現清水GM)も含め「清水東三羽がらす」と呼ばれた。「2回戦で(長谷川)健太くんのFC東京とやれるというのは思ってもいなかった。自分が一番楽しみにしていたのかもしれない。やるからには勝ちたいという気持ちしかなかったし、選手を勝たせてあげたかった」と指揮官は余韻にひたる。

 順大には小林里だけでなく、DF長谷川らFC東京の下部組織で育った選手たちが在籍する。トップチーム昇格を果たせなかった男たちを指揮官は「4年後に見返そう」と誘った。そんな熱い言葉を受けた“堀池チルドレン”が躍動し、優勝経験もあるJ1クラブを撃破。120分間の死闘を経て、大学生たちが下克上を達成した。

 ▼FC東京・長谷川健太監督 想定外の展開だった。追加点がなく情けない。自分自身の力不足だ。

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