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ベンゲル監督“13度目の正直”宿敵モウ監督にやっと勝った!

[ 2017年5月9日 09:40 ]

プレミアリーグ   アーセナル2―0マンチェスター・U ( 2017年5月7日 )

マンチェスターU戦でベンチから指示を出すアーセナルのベンゲル監督(中央)(AP)
Photo By AP

 ついに“天敵”を破った。プレミアリーグ6位のアーセナルは7日、ホームで5位のマンチェスター・ユナイテッドに2―0と快勝。アーセナルのアーセン・ベンゲル監督(67)は、マンチェスターUのジョゼ・モウリーニョ監督(54)とリーグ13度目の直接対決で初めて白星を挙げた。順位は変わらなかったものの、勝ち点を63に伸ばして欧州チャンピオンズリーグ出場権(4位以内)獲得へ望みをつないだ。マンチェスターUはリーグ不敗が25試合で止まった。

 04年の初対戦から苦節13年。ベンゲル監督が宿敵をついに破った。過去リーグ戦12試合で7分け5敗と一度も勝てなかったモウリーニョ監督との直接対決に初勝利。表情を変えずに敵将と握手を交わしたが、直後に英BBC放送のインタビューで不透明な去就について聞かれると「(監督を退任して)BBCで働けってことかい?」と笑顔でジョークを飛ばした。

 「今日は負けられないビッグゲームだった」と振り返ったように、ともに逆転で欧州CL出場権を狙うチーム同士の“サバイバルマッチ”だった。0―0の後半9分にMFジャカのミドルシュートが相手MFエレーラの背中に当たりコースが変わって先制ゴール。ベンチから立ち上がって派手にガッツポーズをする姿に、この試合に懸ける指揮官の気持ちが表れていた。その3分後には元マンチェスターUのFWウェルベックが右クロスを頭で押し込んだ。

 犬猿の仲の指揮官2人は、05年から激しい舌戦を繰り広げてきた。決戦前の4日に英スカイスポーツのインタビューで、ベンゲル監督はモウリーニョ監督との関係について「和解のドアは開かれている」と歩み寄る姿勢を示したが、一方のモウリーニョ監督は「問題がないから和解する必要はない」と拒否。試合後もモウリーニョ監督は「いつも泣いているアーセナルファンがハッピーな姿を初めて見た」とし、さらに「ベンゲルは試合中第4審判にプレッシャーをかけ続けていた」と必死だった姿を皮肉った。

 96年に就任したベンゲル監督はプレミアリーグで現在最長となる21季目。今季で契約が満了となる去就に注目が集まっている。リーグ3度、FA杯6度のタイトルを獲得してきたが、欧州CLは7季連続で決勝トーナメント1回戦敗退。03〜04年を最後にリーグ優勝から遠ざかっており、サポーターの批判が高まる中で、20季連続の欧州CL出場については可能性をつないだ。4位マンチェスターCとは勝ち点6差で、未消化1試合を含め残り4試合。「数字上はまだ可能性がある」というベンゲル監督が、ライバルを撃破した勢いに乗って大逆転を目指す。

 ≪犬猿の仲の指揮官2人 14年には“もみ合いに”≫名将同士の舌戦は05年に始まった。攻撃的なパスサッカーが信条のベンゲル監督は、当時チェルシー監督に就任したばかりのモウリーニョ監督の守備的な戦術を批判。反論されると「愚かな人間が成功を手にするとさらに愚かになる」と人格も口撃した。一方のモウリーニョ監督も「他人ばかり気にしているのぞき魔」「失敗のスペシャリスト」などと年上の敵将をこき下ろした。14年には試合中にベンゲル監督がモウリーニョ監督を突き飛ばし、もみ合いとなるまでヒートアップした。

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