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12・3浦和の悲劇 年間1位も勝ち点74も…残酷な結末に

[ 2016年12月4日 05:30 ]

明治安田生命JリーグCS決勝第2戦 ( 2016年12月3日    埼玉 )

<浦和・鹿島>ガックリの浦和イレブン
Photo By スポニチ

 悲劇の主人公は、再び浦和となってしまった。わずか90分で年間勝ち点15差をひっくり返されての逆転負け。準優勝シャーレを受け取る主将の阿部は、平静を装いながらも悔しさをにじませていた。表彰する村井チェアマンに対し、サポーターはやり場のない怒りをぶつけるようにブーイングを浴びせた。勝者と敗者のコントラストが鮮明に浮かび上がり、阿部は「結果が全てなので。それだけです」と繰り返した。

 攻めの姿勢を貫いたが、それが落とし穴だった。前半7分に興梠が先制。だが前半40分に宇賀神が遠藤にボールを奪われてカウンターを浴び、金崎にヘディング弾を浴びた。後半34分には悪夢が訪れた。ペナルティーエリア内で槙野が鈴木を倒し、PKを許す。そのPKを右隅に沈められ、2点目のアウェーゴールで逆転を許した。「今日は我慢ができなかった。年間勝ち点1位の力を証明しないといけなかった」。槙野はぼうぜん自失だった。

 歴史は繰り返してしまった。前回の2ステージ制最終年の04年は、年間勝ち点1位ながらCSで涙をのんだ。昨季は年間勝ち点2位ながらCS準決勝で延長の末に同3位のG大阪に敗戦。そして延長戦が行われない規定に変わった今季も、頂点の座をかっさらわれた。「私の責任」。そうロッカールームで謝罪したペトロヴィッチ監督は「呪いのようなものをかけられているようだが、それは違う。監督が悪い」と背負い込んだ。

 リーグ史上最多タイの年間勝ち点74の記録が色あせることはない。だが、あまりにも残酷な結末で、その栄冠に冷や水を浴びせられたのは事実だ。1ステージ制に戻る来季。「目に見えた結果が出ていないことを受け入れないといけない」と西川は言う。この敗戦を糧に、はい上がるしかない。

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2016年12月4日のニュース