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清武 新司令塔へ号砲だ!先制PK弾で指揮官へ“恩返し”

[ 2016年11月16日 05:30 ]

W杯アジア最終予選B組 ( 2016年11月15日    埼玉 )

サウジアラビア戦の前半、先制のPKを決め喜ぶ清武

 その右足に、全神経を集中させた。前半45分、MF清武は自身のシュートで得たPKのキッカーとなった。小刻みな助走から鋭い振り足で放ち、GKの逆を突いて左隅に決めた。ホームでの重圧に打ち勝つ待望の先制点。仲間のいるベンチへ猛ダッシュで駆け寄った。「まあまあ冷静に決められました」と事もなげに話した背番号13だが「(本田)圭佑くんも“決めることで自信になる”と言っていた。僕にとっては大きい1点」と喜びをかみしめた。

 香川、本田らが先発から外れ、攻撃陣のスタメンでは最年長。フレッシュな前線の中で、存在感が際だった。オマーン戦に続く2試合連続ゴールだけでなく、相手のマークを巧みに外し、ボールを受けては鋭いパスで好機を演出。中盤でリズムをもたらし、原口やオマーン戦でも好連係を見せていた大迫、初先発の久保をリードした。後半20分に代わった香川から先発を奪い取った形だが、「そういう意識はない。今日は誰が出ても勝たないといけない試合だった」と謙遜した。

 ハリルホジッチ監督へ“恩返し”の一発だった。今季加入したセビリアでは多くの出場機会を得られず、代表合流前の6日のバルセロナ戦でも出番は訪れなかった。だが、指揮官は試合勘を取り戻す意味合いも込めて11日のオマーン戦に先発で起用し、1得点2アシストと活躍。27回目の誕生日を迎えた12日に誕生日ケーキを持って清武の前に現れた指揮官は「次はキヨがプレゼントをくれる番」と期待。その言葉通り先制のPK弾もマークしB組首位相手に大きな勝ち点3を手に入れた。

 「ピッチに立った自分たちがやるだけ。いいバリエーションになればいい。新しい選手が入ることでチームが活性化する」。大一番で躍動した新・司令塔が、世代交代を告げる旗頭となった。

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