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元気“日本人初”4戦連発!首位サウジ撃破でW杯圏内2位浮上

[ 2016年11月16日 05:30 ]

W杯アジア最終予選B組 ( 2016年11月15日    埼玉 )

<日本・サウジアラビア>後半、ゴールを決め喜びを爆発させる原口(左)

 原口4戦連発、サウジ撃破だ。日本代表は15日、W杯アジア最終予選サウジアラビア戦に臨み、左MFで先発した原口元気(25=ヘルタ)が日本人では史上初めてとなる最終予選4試合連続ゴールを決めるなど、2―1で勝利を収めた。B組の日本は首位サウジアラビアと勝ち点10で並び、オーストラリアを抜いて自動的にW杯出場権を得る2位に浮上した。年内のAマッチは終了。残り5試合となった最終予選は来年3月23日のアウェー、UAE戦で再開する。 試合結果  W杯アジア最終予選B組  日本代表メンバー

 その瞬間、ゴールまでの道筋が見えた。右足を合わせるだけで良かった。後半35分だ。またまた原口が決めた。本田のパスを起点に長友が左クロス。ゴール前の香川が左足で触れ、コースが変わったボールを的確に捉えた。「あのシーンだけ落ち着いていた。コースも見えた」。これが連続ゴールを続ける男に見える世界。埼スタを歓喜の渦に巻き込んだストライカーは恐ろしいほど冷静だった。

 W杯最終予選では史上初の4戦連発。93年のカズ、97年の呂比須を超え日本サッカー史に新たな一ページをしるした。それでも原口は「日本が勝つために仕事をする。ゴールはおまけ」と素っ気ない。後半18分、低い位置でのパスカットから速攻の起点となったプレーに見られるように上下動の迫力、回数は圧倒的だった。「攻守の切り替え、デュエル(1対1)。いい部分が出せたと思う」。総合力が光っていた。

 ドイツに渡って3年目。今季は全10戦に出場し充実のシーズンを送る。オフの楽しみと言えば愛犬との散歩。公園で一緒にボールを追い、戯れること。思えば幼少期の原口も当時、かわいがっていたラブラドルレトリバーをDF役にドリブル練習するのが日課だった。その頃、磨かれたのが最初のタッチだ。今も日常にサッカーがある。この日の一撃も見事、ワンタッチで決めたものだった。

 日々、向上心は尽きることがない。ヘルタでは同僚でコートジボワール代表FWカルー(31)にゴールの秘けつを聞いた。攻と守の力配分を伝授されたという。4日のボルシアMG戦では攻守とも精彩を欠き、今季初の途中交代。試合後、メディアに対し「最低と書いて」と伝えた。冗談と勘違いして笑う報道陣には「本当だよ。それを読んで俺、もう一回はい上がるから」と誓った。

 原口のゴールに導かれ、難敵サウジアラビアを撃破。B組の2位に浮上した。「ここ2試合は内容もいい。オーストラリア戦も俺のミスがなければ勝ち点3が取れていた。これだけテンション高くプレーすれば技術では日本の方が優れている。これを続けたい」。痛恨のPK献上で勝利を逃した10月のオーストラリア戦のリベンジも果たし確かな手応えを口にした。

 浦和時代の09年秋、練習試合で対面したカズと一緒に納まった写真は今も宝物だ。その憧れのカズを超える4戦連発。本田、香川、岡崎も先発から外れた日本にとって運命の大一番で、原口が新時代の到来を予感させた。

 ≪カズ、呂比須超え≫原口が史上初のW杯最終予選4試合連続ゴール。これまでは94年最終予選の三浦知良、98年最終予選の呂比須ワグナーの3試合連続が最多だった。最終予選に限らないW杯予選連続試合得点は、今大会2次予選で本田がマークした5試合連続が最多。原口は、86年予選の1次予選から最終予選にかけて木村和司がマークした4試合連続と並び2位タイ。また、今季Aマッチ通算5得点目は、香川、本田の4得点を上回って年間最多得点となった。

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