×

ハリル監督“解任危機”回避でどや顔!世代交代布陣を自画自賛

[ 2016年11月16日 05:30 ]

W杯アジア最終予選B組 ( 2016年11月15日    埼玉 )

<日本・サウジアラビア>後半、原口のゴールを喜ぶハリルホジッチ監督

 解任危機を回避する笛が鳴ると、ハリルホジッチ監督は2度拳を握りしめ、選手、スタッフと抱擁を交わした。B組首位サウジアラビアに競り勝ち、W杯出場権獲得圏の2位に浮上。「エクセレントとは言わないが、美しい大きな勝利だった。エクセレントでない理由?私は自分自身に厳しい男だからね」と笑った。

 大胆采配が奏功した。長年、日本代表の攻撃の軸を担ってきた本田、香川、岡崎をベンチに置き、清武、大迫、久保を先発に抜てき。引き分け以下で解任濃厚な一戦だったが「何人かはトップパフォーマンスではない。私はちゅうちょなくより良い選手を選んだ」と迷いはなかった。前半43分には久保の右クロスのこぼれ球を拾った清武がシュートを放ち、ペナルティーエリア内でハンドを誘発。直後のPKを清武が決めて先制すると、後半35分には原口が加点した。

 試合終了間際に失点するなど、試合運びは決して手放しで喜べる内容ではなかったが、フレッシュな力で勝ち点3を手にし、今後は世代交代を進める方針を示唆した。本田、香川、岡崎ら所属クラブで出場機会が少ない選手について「コンペティションのリズムになってなければ同じことが繰り返される。今後も先発で使われないだろう」と断言。その上で「先発を取れるクラブに行きなさいと繰り返している」と移籍を勧めていることも明かした。

 指揮官はPK判定を巡り選手が小競り合いした際にはベンチを飛び出して参戦を試みた。その延長でハーフタイムにもエキサイト。相手選手につかみかかろうとしてスタッフに止められるなど背中でチームを鼓舞し、西野技術委員長は「いつでも、どこでもデュエルです」と振り返った。

 試合後の会見では一転、冷静さを取り戻し「全てのスタッフに感謝したい。(司会を務めた広報担当の)多田にも感謝する。多田はあまり良い仕事はしていませんが」と珍しくジョークを披露。最後は「9、10、11月がこんなことになるとは予想していなかった。まだデリケートで難しい試合は続く」と来年3月23日のアウェーUAE戦に気持ちを切り替えた。「本田も香川も岡崎も川島も信頼しているが、今日は私の責任で今いい選手を選んだ。これが私のやり方だ」。一時代の終焉(しゅうえん)を予感させるメンバー入れ替えでの勝利。この白星がターニングポイントになるかもしれない。

続きを表示

この記事のフォト

2016年11月16日のニュース