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手倉森監督のラストピースは岩波!メダル獲得へ18人リオ戦士決定

[ 2016年7月2日 05:30 ]

リオ五輪代表メンバーとバックアップメンバーが映し出されるモニターを背に笑顔を見せる手倉森監督。左は田嶋会長

 日本協会は1日、リオデジャネイロ五輪に出場する日本代表18人を発表した。都内のJFAハウスで会見した手倉森誠監督(48)は、前日6月30日のスタッフ会議でも決まらなかった最後の1枠を宿泊先のホテルで深夜まで悩み抜き、ケガでリハビリ中のDF岩波拓也(22=神戸)を選出したことを明かした。

 苦しんだ末に18人を固めた手倉森監督の表情は晴れやかだった。「(メンバーは)悩みに悩み抜いて決定しました。昨日の深夜、決めて寝ました」。前夜はスタッフ会議後、都内のホテルに宿泊。最後の1枠を誰にするか、深夜まで決めかねた。「DF中谷と、岩波の回復状況というところで(迷っていた)。自分としては慎重で、大きな決断だった」と明かした。

 岩波は5月21日、トゥーロン国際大会のパラグアイ戦で左膝内側側副じん帯を損傷した。全治は6週間。代表発表までに完治するかギリギリのタイミングだった。それから、毎週のようにスタッフを岩波の元に派遣。数日前には直接電話をして、回復状況を確認した。幸いにも想定以上に回復が早く、来週にもクラブの練習に合流する見込み。第2ステージ第2節の9日鳥栖戦に間に合う可能性も出てきた。「彼は間違いなくコンディションをそこ(五輪)に持ってこられるだろうと確信しました」と最後の最後で招集を決断した。

 5月11日のガーナA代表戦後、福岡県内で日本協会の岡田副会長と福岡の井原監督と食事をした際、98年W杯フランス大会時のメンバー選考の話を聞いた。当時の岡田監督はFW三浦知を外すという決断を下した。“カズ落選”にショックを受けたと同時に右膝を負傷していた井原監督に対し、岡田監督は「おまえは(カズが外れたことによる)心のケガだから大丈夫」と暗示をかけ、井原監督を初戦のアルゼンチン戦に起用したという裏話を聞いた。「いろいろなことが起こるし、いろいろなマネジメントがある」。大先輩の体験談を聞いたからこそ、動じずにこの日を迎えられた。

 手倉森監督は今回の人選について「押し込まれて、守る時間が続く大会になると思う。後ろを万全にしたかった」と狙いを説明した。岩波はそのためのラストピースでもある。最終的にオーバーエージ(OA)枠を除いた15人中14人がアジア最終予選のメンバーになった。原点回帰のメンバーで臨む本大会。「金メダルを目指さなければ、銅にも引っかからない。“どう”にもこうにもならない。なので、一番上のメダルを目指します」。最後はらしくダジャレで締めた。メンバーは固まった。あとは結果を残すだけだ。

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2016年7月2日のニュース