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FC東京GK圍デビューへ!高校時代過ごした熊本思い全北戦に

[ 2016年4月20日 06:13 ]

1メートル90の長身を生かして高く跳んでキャッチングの練習をするFC東京のGK圍

 ACL1次リーグE組のFC東京は20日、ホームで全北(韓国)と対戦する。勝てばクラブ史上2度目の決勝トーナメント進出が決まる大一番に、城福浩監督(55)はトップチームデビューとなるGK圍(かこい)謙太朗(24)を大抜てき。熊本県の大津高を卒業した1メートル90の大型GKは多くの知人が地震の影響に苦しむ中、被災地に明るいニュースを送ることを誓った。G組のG大阪はホームで水原(韓国)に1―2で敗れ、敗退が決まった。

【E組日程&順位表】

 機は熟した。大卒3年目のGK圍がついにトップデビューを飾る。勝てば1次リーグ突破が決まる大一番。今季J3に参戦しているU―23チームで経験を積んできた1メートル90の長身GKは「気負いはない。緊張するのは初めてだから当たり前。それを受け入れてやりたい」と力を込めた。

 チームは前節、江蘇蘇寧(中国)を撃破して首位に浮上した。残り2試合。5月4日の最終節は敵地のビンズオン(ベトナム)戦で、35度を超える過酷な環境では江蘇蘇寧が引き分け、全北も敗戦と苦戦しており、城福監督も「ビンズオンはホームで非常に強い。明日はホームだし、サポーターの前で(突破を)決めたい」と力を込めた。

 その中で指揮官はトップチームで出場経験のない圍の抜てきを決めた。身体能力の高さはチームでも屈指。昨年は第5中足骨骨折などに泣かされたが、地道に努力を積み重ね「この一発に懸けてやってきた」と大一番で出場チャンスをつかんだ。

 全北は空中戦の強い長身FWをそろえており、1メートル90でハイボールに強い圍には、まさにうってつけのデビュー戦となる。

 圍にとっては負けられない理由がもう一つある。長崎出身ながら、高校時代(大津高)は熊本県で3年間過ごした。知人や友人の多くが熊本地震で苦しんでおり、大津高でチームメートだった川崎FのDF谷口らと今後の支援活動も考えているという。

 この日も「人として一番成長した3年間」と大津高時代を振り返り「完全に復興するまで(活動を)続けていきたい」と強調。大津高の恩師である佐藤達朗コーチとの「デビュー戦に招待する」という約束は果たせないが、「映像では残る。少しでも元気になってもらいたい」と、まずは最高のデビューを飾って被災地を勇気付ける。

 ◆圍 謙太朗(かこい・けんたろう)1991年(平3)4月23日生まれ、長崎県出身の24歳。熊本県の大津高から桃山学院大に進学し、才能が開花。13年には夏季ユニバーシアードに出場。14年にFC東京入り。今季からJ3に参戦したU―23チームでJデビュー。1メートル90、90キロ。利き足は右。

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2016年4月20日のニュース