×

練習場や宿泊先提供も!“J全体”が熊本を全面支援へ

[ 2016年4月20日 05:30 ]

J2熊本の今後の見通しを語る村井チェアマン

 Jリーグの実行委員会と西日本のクラブによる分科会が19日に大阪の吹田スタジアム内で開催され、熊本地震の被害を受けたJ2熊本支援に関する話し合いが行われた。第9節の熊本―横浜FC戦(23日、うまスタ)は中止が決定。第10節の山形―熊本戦(29日、NDスタ)は、山形県内での練習場や宿泊先を提供する案が提示され今後改めて協議することになった。ほかにも複数のクラブから熊本に協力する声が上がっており、Jリーグ全体で被災クラブをサポートしていく。

【J2日程 順位表】

 予定時間をオーバーし、2つの会議は計6時間に及んだ。熊本地震の影響を受けるJ2熊本に関する議論が中心で、熊本の池谷友良社長も前日(18日)に地元を出発して両会議に参加。23日の熊本―横浜FC戦の中止が決まり、その後のリーグ戦開催も不透明な状況ながら、Jリーグの村井満チェアマンは「(中止期間が)いつまで、というのは決めていない。熊本の感情を優先しているし“帰って選手らと相談して検討したい”ということだった」と明かした。

 現在の熊本はスタジアムが救援物資の拠点となり、同じく県民総合運動公園内にあるクラブハウスが自衛隊の待機所になるなど施設使用が困難。池谷社長も3日連続で車中で寝泊まりしている。県内にとどまっている選手は車中泊が続き、大半は県外に避難しているという。21日に選手が集合する予定ながら、練習する場所は未定で「練習を再開するメドが立たない状況」と池谷社長は険しい表情を浮かべた。

 その熊本を助けるために、多くのクラブが協力する意思を表明した。横浜FC戦に続くアウェー山形戦(29日)に関しては、山形側が練習場所、現地のルートインホテルズが宿泊先を提供する案が示された。続く第11節のホーム愛媛戦(5月3日)は愛媛側がホームとアウェーの日程入れ替えを提案。ほかにもJ1鳥栖(佐賀)が練習場の提供を申し出ており、大阪のJグリーン堺で長期滞在する案も提示された。

 Jリーグ側は義援金1000万円を支援することを決定。「まずはリーグ戦の再開に集中する」としながら「チャリティーマッチが開催される可能性もあります」と村井チェアマンは続けた。11年3月の東日本大震災の際には「日本代表―Jリーグ選抜」が開催され、FW三浦知良がゴールとカズダンスで被災地に勇気と感動を届けた。

 今後は、提案を受けた熊本が地元で協議し、再びJリーグなどと話し合っていく予定。現在も続く余震や家族の安全に不安を抱える選手が多く、村井チェアマンは「熊本がリーグ戦に参加しない期間が長期化する可能性もある」と指摘する。予断を許さない状況が続くことになりそうだ。

続きを表示

この記事のフォト

2016年4月20日のニュース