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2戦連発弾!“遅咲き”26歳FW武藤が東ア杯唯一の収穫

[ 2015年8月10日 05:30 ]

中国戦の前半、同点ゴールを決め喜ぶ武藤(18)

男子・東アジア杯 日本1―1中国

(8月9日 中国・武漢)
 またワンタッチで決めた。1点を追う前半41分。ゴール前に走る武藤がギアを上げた。計ったようなタイミングでDF槙野の縦パスに抜け出た米倉からクロスが入る。点で捉えた。「自分の良さが一つ出たと思う」。デビュー戦から出場2戦連続ゴールは史上6人目の快挙。完全アウェーの敵地を沈黙させた。

 サクセスストーリーは終わらない。5日の韓国戦で出場機会はなく「これで中6日になった。普段と変わらない。体が軽い」と試合出場に飢えていた。「代表には個の特長のある選手が多い。そこを合わせるのが代表」。アシストを受けた米倉もこの日が代表デビュー戦だったが、日々の練習の中で特長をインプット。2戦連発につなげた。

 昨年までは仙台の準レギュラー。「こうなるとは全くイメージできなかった」と笑う。今季、一念発起して移籍した浦和で開花し、ハリルジャパンに初招集された。もちろん、ここが最終目標ではない。2戦2得点で大会得点王に輝く活躍にも試合後、ハリルホジッチ監督から「3点取れるチャンスがあった。国内組はもっとレベルアップしないといけない」と言われたという。「その言葉を心に刻んで練習していく。(2試合で)2点しか決めてない。この出来で両手を上げて喜ぶ状況ではない」。満足感はみじんもなかった。

 遅咲きの26歳は向上心の塊だ。浦和では勝てなかった試合後、たとえ自身が得点していてもチームメートに積極的に自分の弱点を聞き、全体練習後にコーチと基礎トレーニングに励む時もある。サッカーと向き合う下地があったからこそ、結果を残すことができた。

 前回大会の得点王の柿谷はW杯への切符を手にした。後半29分に退いた武藤は「自分でもできると手応えを感じている。代表に呼ばれ続けたい」と語った。最下位に終わり、目立った若手の突き上げも見られなかった中国・武漢での8日間。武藤だけが鮮烈な印象を残した。

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