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ハリル日本 0勝最下位…東アジア杯初の屈辱でW杯予選へ不安

[ 2015年8月10日 05:30 ]

中国戦を1―1のドローに終わり肩を落とす日本代表イレブン

 屈辱の幕切れだ。中国との最終戦に臨んだ日本代表は1―1で引き分け、2分け1敗で白星を挙げることができずに最下位に終わった。1点を追う前半41分にMF武藤雄樹(26=浦和)が同点弾を挙げたが、決定力を欠いた。国内組で臨んだとはいえ、6度目を迎えた東アジア杯で日本が未勝利と最下位で大会を終えるのは初めて。バヒド・ハリルホジッチ監督(63)は9月のW杯ロシア大会アジア2次予選で真価を問われる。韓国が1勝2分けで優勝した。

【試合結果 東アジア杯順位表 日本代表メンバー】

 降りしきる雨を避けるように頭にタオルを掛けて、ハリルホジッチ監督はトボトボとベンチから引き揚げた。連覇を目指した大会は2分け1敗で終戦。6度目の出場で未勝利、最下位はともに初の屈辱だ。「かなり良い試合をしたと思う。勝つ資格はあった。徐々に向上している。フィジカル的にもフレッシュな状態だったし、2、3日前にこちら(武漢)に来ていたら全ての試合に勝てたと思う」。指揮官の言葉がむなしく響いた。

 韓国戦から先発5人を変更。GK東口、DF丹羽、DF米倉の3人は国際Aマッチ初先発だった。硬さの目立つ前半10分に早々と失点。FIFAランク79位の格下に主導権を渡すと、前半41分に武藤のゴールで追いつくのが精いっぱいだった。

 指揮官は3月の就任以降、速攻と球際に特化した練習を続けてきた。就任後の親善試合で3連勝したがその後は6月16日のW杯アジア2次予選シンガポール戦を皮切りに4戦未勝利。速攻を意識し過ぎるあまり奪ったボールを直後に失う場面が増えた。日本の特長だったポゼッションの質が低下したことが勝てない最大の要因で“ハリル改革”が完全に裏目に出た。宇佐美が「遅攻の質を上げようと中では話していたが…」と話すなど選手は原点回帰を目指したが狂った歯車は最後までかみ合わなかった。

 「言い訳はしない」と武漢に乗り込んだが、猛暑の中の過密日程に対する言い訳を連発。コンディション調整に時間を割くあまり、連係面の練習はほとんどなかった。初めて一緒にプレーする選手も多かっただけに、連係不足も明らかだった。

 結果も内容も乏しい3試合だったが、指揮官は「真のA代表に入れる選手が見つかった。2、3人の本当に良い選手が見つかって満足を与えてくれた」と強調。「結果には満足していないが、そんなにがっかりはしていない」と前を向いた。次戦は9月3日、W杯アジア2次予選のカンボジア戦が待つ。屈辱にまみれた大会で指揮官に危機感が生まれなかったことが、何よりの不安材料だ。

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