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決勝T間に合った!岩渕 魅惑のドリブルで大儀見相棒に名乗り

[ 2015年6月18日 05:30 ]

<日本・エクアドル>後半、軽快な動きを見せる岩渕

女子W杯1次リーグC組 日本1―0エクアドル

(6月17日 ウィニペグ)
 手負いの天才ドリブラーが、決勝トーナメントに間に合った。後半35分、岩渕がピッチに送り出される。2月に右膝じん帯を痛めて3月のアルガルベ杯を辞退し、丸亀合宿中の5月22日にその右膝を打撲。流れを変えるジョーカーが、カムバックを果たした。「チームメート、ドクター、皆さんに感謝したい。一歩を踏み出せた」。わずかな時間だったが、喜びをプレーで表現した。

 2トップの一角に入ると、バイエルンM仕込みのドリブルで敵陣深くまで切り込んだ。大儀見とのワンツーから負傷した右足を一閃(せん)。「イメージ通り。足の状態は気にならなかった」。GKに阻まれ舌を出したが、ケガからの復活をアピールするには十分だった。

 1次リーグで3連勝したものの、なでしこジャパンの得点は4点のみ。相手に研究され、パスワークが封じられる中で、個人技で突破できる岩渕の存在は、決定力不足解消の切り札となり得る。大儀見も「自分の良さを引き出してくれる」と前向き。起点となる大儀見とスピード、ドリブルでアクセントをつけられる岩渕のコンビは日本の新たなオプションだ。

 チームメートがいたからこそ、ケガの治療に専念できた。負傷した日の夜、みんなが部屋にお菓子を持ってきてくれた。「“大丈夫だよ”という一言に助けられた」。大黒柱の澤にも助言をもらった。04年アテネ五輪予選の北朝鮮戦で右膝半月板損傷を押してピッチに立ったことを引き合いに、励まされたという。「焦っちゃうんだけど、ブッチ(岩渕)は焦らないで」と言われ「その試合、見に行ってました!」と岩渕は返答。小さい頃に国立競技場に足を運び、目に焼き付けた試合。そこで活躍した大先輩からの言葉に、沈んだ心に火が付いた。

 離脱した安藤からは「私の分も頑張って」と思いを託されている。「決勝トーナメントの舞台をつくってくれたのはチーム。プレーで恩返ししたい。点を取って活躍したい」。最年少22歳のドリブラーが、連覇への鍵を握る。

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2015年6月18日のニュース