×

佐々木監督 決定力不足を嘆く「力を隠しているのではない」

[ 2015年6月18日 05:30 ]

<日本・エクアドル>選手に指示を出す佐々木監督

女子W杯1次リーグC組 日本1―0エクアドル

(6月17日 ウィニペグ)
 あまりに寂しい3連勝だ。試合後、エクアドルの善戦に惜しみない拍手が送られた。2試合で16失点を喫していた格下に、シュート20本を浴びせながら1得点。なでしこではなく、魂の守備で大会を去る敗者に観客が沸くのも当然だ。試合後、佐々木監督は「自分たちの力を隠しているのではなく、出てこないのが現実。出せていないのは私の責任」と嘆いた。

 前半5分に先制。ゴールラッシュが続くかと思われたが、その後はため息の連続だった。相手のフィールド9選手が守りを固める中、サイド一辺倒の淡泊な攻撃に終始。後半からは単純なパスミス、トラップミスでカウンターを食らう場面もあった。まるで前日の男子のハリルジャパンの試合を見ているかのような展開。5月24日のニュージーランド戦から全6得点のうち、セットプレーが2点、クロスからが4点。サイド攻撃の成功体験から抜けられないまま、アクセントのない攻めを繰り返した。

 チームでの狙いを貫けるのが日本の特長だが、サイド攻撃ばかりでは相手もパスコースを想像しやすい。守備の網にかかり、結果、ゴールは遠くなる。アイデアに乏しい内容に右MFの大野は「単調に感じた。形にこだわってやりすぎた部分がある」と自戒した。

 引き出しの一つとして 必要な中央突破も、3月のアルガルベ杯から課題に挙げているサイドチェンジなどダイナミックな動きもなかった。「前半はシュートに迫る動きがつくれたけど、後半は役割がはっきりしなかった。運動量が落ちて連動がなくなった。1つのアクションでブツブツ切れる感じだった」と大儀見は振り返った。

 指揮官はこの試合でGK福元、DF川村、北原を初先発させ、全選手を1次リーグで起用した。「全員がピッチに立ったこと」は収穫だが、FIFAランク48位の相手にすら複数得点が奪えず、決定力不足は深刻だ。相手によって布陣を変える柔軟采配は、裏を返せば連係不足を助長する。「あとは1週間でどのメンバーを軸にするかを準備としてやっていければ」と指揮官の悩みは尽きない。決勝トーナメントへ向けてやるべきことは多く、残された時間は少ない。

続きを表示

2015年6月18日のニュース