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“ボランチ香川”不発45分も悲壮決意「与えられたことやる」

[ 2014年7月28日 05:30 ]

ローマ戦でタックルされるマンチェスター・ユナイテッドの香川(左)

ギネス杯・A組 マンチェスターU3―2ローマ

(7月26日 米コロラド州デンバー)
 マンチェスター・ユナイテッドの日本代表FW香川真司(25)は26日、遠征先の米国デンバーで行われた親善大会ギネス杯のローマ戦に後半開始からボランチで出場した。試合は3―2で勝利したが、不慣れなポジションで見せ場をつくれずに無得点。日本代表を率いることになったアギーレ監督に必要とされるためにも、たとえ守備的なポジションでも生き残る覚悟を示した。

 “ボランチ香川”は機能不全に陥ったままだった。後半30分に中央でこぼれ球に反応。相手をかわしながら打ち急いだシュートは、力なく枠外を転がっていく。攻撃に絡もうと前線に姿を見せるが、香川へのパスを狙われてカウンターを食らった。シュートは1本。得点はおろか、そのチャンスすらつくりだせない。「パフォーマンス自体、納得いくものではなかった。そこは悔しい」と静かに振り返った。

 今季初戦の23日MLSロサンゼルス戦からボランチで出場。ファンハール新監督の下で「練習はそこ(ボランチ)以外でやっていない」と明かした。守備の仕方や距離感を細かく叩き込まれ、中盤からの展開や前線への飛び出しを要求される日々という。香川の魅力は一瞬の爆発力と味方との連係プレーでゴールに迫る動き。攻守両面での働きが求められるボランチでは長所が消えかねない。

 それでも、香川は不退転の決意を示した。「まだまだ慣れていない感じは多少ある。でも、自分が与えられたことをやっていく」と言い切った。エレーラやクレバリー、米国遠征に同行していないフェライニら定位置を争うライバルは多い。香川はチーム内での序列が低く、放出候補と目される。移籍先を求めることも合理的な選択だが、新機軸を見せて名門で生き残る。それが香川の出した答えだ。

 さらなる視線の先には、18年W杯ロシア大会がある。日本代表はアギーレ監督のタクトで再出発する。「4年後のスタートが始まっている。ブラジルでの経験だったり、悔しい思いはしたくない。やっぱり、もう1回チャレンジしていきたい」。10年南アフリカ大会で選考から外れ、今年のブラジル大会では無得点で輝きを放つことはなかった。29歳で迎える4年後のために、まずは必死にプレーの引き出しを増やす。

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