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今大会から登場!ハイテク機器GLTがフランス快勝に一役

[ 2014年6月17日 05:30 ]

<フランス・ホンジュラス>前半、先制のPKを決め、駆けだすフランスのベンゼマ

W杯1次リーグE組 フランス3―0ホンジュラス

(6月15日 ポルトアレグレ)
 期待のハイテク機器が上々のW杯デビューでフランス白星発進の力になった。後半3分にベンゼマが放ったシュートは右ポストを直撃。跳ね返ったボールは相手GKの左手をはじいてゴールライン付近に転がったが、GKがすぐ手でかき出した。

 肉眼ではゴールかどうか判別が難しかった微妙な場面で、今大会から導入されたゴールライン・テクノロジー(GLT)の登場だ。一方のゴールを高速カメラ7台で撮影する最新機器は瞬時にゴールを認定。大型ビジョンでは右ポストを直撃した際の「ノーゴール」の解析図が先に映し出されたため、場内が混乱する場面もあったが、続けてGKがはじいた直後の「ゴール」の解析図が鮮明な画像で表示されると、結果は明らかだった。

 ハイテクとともにベンゼマ自身の存在感も絶大だった。前半45分にPKで先制点。追加点を“証明”したGLTには「いいことかどうかは何とも言えない。サッカーでは時にゴールが入ったかどうか分からないから…。ただ大事なことはゴールが認められたこと」と微妙な反応ながら歓迎。後半27分には自身2点目となる鮮やかなシュートを文句なしに突き刺した。

 将来を嘱望されてきた26歳も10年南アフリカ大会は不調でメンバー外。昨年10月の親善試合オーストラリア戦まで代表戦1222分間も得点から見放されていた。しかし、W杯初出場で決めた2得点がエースのリベリが大会を負傷欠場して漂っていた不安を一蹴した。

 フランスが1次リーグ初戦で得点したのは、優勝した自国開催の98年大会・南アフリカ戦(3―0)以来だ。南アフリカ大会ではドメネク監督と対立した選手が練習をボイコットするなど騒動の末に1次リーグ敗退。しかし、今大会は98年大会で主将だったデシャン監督が率いる。カリスマ指揮官は「素晴らしいスタートだ。W杯で3―0で勝つことは簡単ではない。よくやった」と選手への信頼を口にした。チーム一丸のレ・ブルーがGLTの“後押し”も受け、華麗な復活を告げた。

 ▼ゴールライン・テクノロジー(GLT) W杯では今大会から初めて導入されたゴール判定を補助する最新機器。FIFAは4つのシステムを採用し、大きく分けて磁気型とカメラ型の2種類がある。今大会はカメラ型のドイツ・ゴールコントロール社製の「ゴールコントロール4D」を採用。一方のゴールを7台のカメラが監視。撮影位置、角度の異なる映像を解析してゴール判定は1秒以内に審判の持つ腕時計に送られる。1会場ごとの設置費用は推定26万ドル(約2652万円)。1試合ごとの運用費用は4000ドル(約41万円)と報じられている。

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